「好きです付き合ってください」
「俺も好きだよ」
エロゲーに転生して半年。
推しキャラに告白。
感無量だ。
仰いだ鉄紺の空にはチラチラと雪がダンスを踊っている。
「ホワイトクリスマスだね」
ああと答えようとするも声が出なかった。背中が猛烈に熱い。
「おにいの嘘つき、私を一人にしないって約束したのに……」
見下ろすと地面に無数の紅い斑点が形成。
そういえばこのゲームキャラ人気だけ高いのでどういう内容なのか知らなかった。
たしかシナリオライターが虚……玄米茶だっけ?
ここで俺は肉体から離れた。
「泥棒猫もすぐに始末するから、そうしたらずっと一緒にいようね、私のおにい」
「ああ………ああ……ああ」
妹は虚ろな瞳で虚空を望む。想い人のあの子は腰を抜かしオシッコを漏らしていた。
最後まで見守りたいがどうやらお迎えが来たらしい。
妹がナイフであの子の髪を乱暴に掴み引きずり回すところで、視界がブラックアウトした。