都心の私立お嬢様学校若葉学園に通う田所江梨菜は今16歳青春真っ盛り
余りの美しさに江梨菜見たさに近隣の学生さん達がわざと遠回りしてバス停に殺到
そんな一見日の打ちどころのない江梨菜ですが?江梨菜には人に言えない秘密があるのです。
父親の健吾49歳は都心に多くの不動産を所有の不動産経営者で1年前に妻と離婚をしているのです。
性格の不一致で超お金持ちの為多額の慰謝料を支払いお互い同意の上でさっさと離婚していたのです。
その為現在この豪邸には父と江梨菜の2人暮らしなのです。
父親は会社経営の為帰宅は午前様の事もしょっちゅう、通いの家政婦とよさんは午後7時には帰るので江梨菜も寂しさを紛らわす為に、父には内緒でふらりと夜の街に繰り出しているのです。
スタイル抜群の美しい江梨菜は、夜の闇に潜む獣たちの格好の餌食です。
危険な輩に拉致まがいな目に合い、父の賢伍も大切な娘に何かあってはと心配しきり、その為監視係として遅くなる時はとよさんに泊まってもらっているのです。
江梨菜はどこか異国感漂う浅黒い小顔の端正な堀の深いハット人目を惹く非常に美しい娘さんです。
又高身長でスタイル抜群の為、あちらこちらからモデルにとスカウトの嵐です。
父の帰宅が遅い時は家政婦のとよさんの監視付きで出歩く事も出来ません。
端から芸能界など興味もなかったのですが?これを機に自由を謳歌出来ると思い、父に「モデルの仕事してもいい?」
「そんな芸能界など危ないからダメ!ダメ!」それでも江梨菜の押しの一手で渋々許してくれたのです。
最初の内は遊びの傍らにモデル業をしていたのですが、
「この娘誰?神秘的でめっちゃ!可愛い!」
「ハイセンスじゃん!」
ティ―ンからの圧倒的な支持を集めて18歳で本格的な女優デビューの話が舞い込んで来たのです。
学園ラブコメで今一番旬の若手俳優白石仁の相手役として白羽の矢が立ったのです。
仁の爆発的な人気と異国感漂う美少女江梨菜の絶妙な掛け合いがマッチして大ヒットしたのです。
江梨菜にはドラマや映画のオファーが殺到、主演のドラマや映画は軒並み大ヒット————
そしてアレヨアレヨとスタ-ダムに伸し上がったのです。
時は2001年に遡ります。
20年前の桜の満開に咲き誇る4月上旬父健吾と若妻となった美登里は結婚したのです。
この満開の桜のように未来永劫、満開に咲き誇る桜のように、薄桃色に覆われた温かいやさしい陽だまりに包まれながら生きて行ける
幸せが永遠に続くと信じて疑う余地など微塵もなかったのです。
ですが?現実は全く違ったのです。
健吾はこの時29歳、両親から執拗に結婚の催促をされています。
「又結婚の話?いい加減にしてよ~!」
「いい加減にしてよじゃ無いだろうが!跡継ぎの長男が結婚もしないで一人者だと信用にも関わる!ちゃんと身を固めてくれ!このままだと妹の婿に会社を譲るぞ~!」
「ハイハイじゃ~!結婚しますよ~!もう!」
このような経緯で健吾は仕方なく結婚したのです。
一方の美登里は大学時代に付き合っていた彼氏と別れたばかり、
何故?別れたのかと申しますと?夢を追い求めて現実を直視できない彼にホトホト嫌気さして別れたのです。
そこに舞い込んだ不動産王の異名を持つお金持ちのお坊ちゃまとの縁談話、喜んで飛びついたのです。
美登里は健吾となら絶対に幸せになれると信じて疑いもしなかったのですが?
現実は残酷です。
「ねえねえ!健吾さん一緒にドライブしましょうよ!」
「俺はチョット???お前が行って来れば?」
ある時は…………
「じゃ~映画は?」
「…………」
又ある時は…………
「じゃ~旅行はどう?」
「…………」
夜の夫婦生活も数える位
妻の美登里は「こんな筈では無かった!」と後悔しきり
一体健吾は何を考えているのか?
又健吾は結婚後間も無くフィリピンのマニラにも邸宅を構えているのです。
何故かと申しますと?現在もフィリピンではストリ-トチルドレンが問題視されています。
その子供達を救う為に児童養護施設〔ハッピ―ハウス〕を開校しているのです。
その為フィリピンには頻繫に出掛けています。
フィリピンに滞在する期間は1週間程ですが、この施設経営には秘密が隠されているのです。
〔ハッピ―ハウス〕に引き取られて1年の11歳のレイナは物心付いた頃から路上生活者、その為ひったくりや盗み癖が中々治りません。
施設関係者も頭を抱えています。
「あんなに優秀で可愛い娘なのに困ったもんだ!勉強すれば将来楽しみな娘なんだが?」
それから数日後レイナの姿がプッツリと施設から消えたのです。
一体何処に?
「アアアア!止めて下さい!いっい痛————!い!たた助けてください!」
「フフフフ フフフフ」
一体誰が?
一方施設ではレイナが急に消息不明になり懸命に捜索が続いています。
理事長の健吾も憤りを隠せません。
「全くあんなにこの施設では明るくて元気だったのに自ら失踪する筈がない!」
何の手掛かりも掴めぬまま時は過ぎ…………
2年の歳月が経った灼熱の太陽が降り注ぐ8月2日に又しても10歳のマリアちゃんが忽然と姿を消したのです。
不動産王の健吾は東京の邸宅で情報を知りフィリピンに向かっています。
「フィリピンは元々治安が悪いのは知っていたが、何も施設の貧しい子供達を狙う事ないだろう?全く許せない!」
健吾は怒り心頭です。
マニラ警察が血眼になって捜索に当っています。
いろんな情報が飛び込んできます。
するとその中に有力な手掛かりが見付かったのです。
マニラ郊外のジュニアハイスクールの女性教師ニコル先生宅に郵便物を届けた配達員が{独身で1人暮らしと聞いているのにどうして女の子が2人いるのか?不思議に思ったとの事}
早速警察はニコル先生宅に直行…………
そこで一部始終を聞き出したのです。
実はこのニコル先生は2年前ショッピングモールで買い物をしていたのですが?丁度レイナが買い物中のおばあちゃんの財布を抜き取る所を目撃、
慌てて捕まえて財布をおばあちゃんに返したので事無きを得たのですが?「ワァワァ~~ン😭」泣き出すので事情を聞いたのです。
すると「ストリートチルドレンで空腹で已む負えずやったのだ」と泣き叫ぶものですから暫く預かって警察に通報するつもりだったのですが?
「イヤだ!イヤだ!」と暴れるので仕方なく保護していたのですが?
そしていつの間にか一緒にいる生活が当たり前になり我が子の様な情愛が湧いて気が付けば2年も立って居たのです。
又慈悲深い先生の為ついつい可哀想な境遇にほだされてマリアちゃんを預かってしまったのです。
レイナが「離れ離れになった親に捨てられた妹がやっと見つかったのだからどうしても一緒に生活したい!」とごねるので思案中だったとの事……
警察は早速〔ハッピ―ハウス〕に通報…………
ですが?子供達はニコル先生と生活したいと言うので施設側も幸せになってくれるのならそれが最善の選択肢と門出を祝ったのです。
何故レイナはストリートチルドレンと噓を付いていたのでしょうか?又施設の事や妹でもないマリアの事など嘘八百を並べ立てたのでしょうか?
そこには驚愕の真実が隠されているのです。