本編で説明したように、カレーの最低限な構成要素はスパイス4つです(玉葱も必須?)
しかし、そのうちコリアンダーとクミンシードは紀元前から西洋で使われていたというか、ほぼ根元にも近かったり。
下手をしなくても小麦より長い付き合いでしょう。
そして西洋人も単独で玉葱スープを発見してます。
この玉葱スープをコリアンダーやクミンシードで整えない訳がありません。
さらにターメリックやサフランは、味付けというより色味目的で省略できなくもない。
つまり、カレーに足りないのはレッドペッパー(辛み)だけとなります。
しかし、それって――
超甘口カレーじゃない!?
イギリスの調味料文化やインド植民地時代の影響とか、いろいろな説がありますけど――
たんなる西ヨーロッパ・ミート・レッドペッパーだったのでは?
例えばキムチなんかも、韓国・ミート・レッドペッパーの結果でしょうし。
また基本的に唐辛子は新大陸産であり、全ての唐辛子料理はコロンブス以降の代物とされています。
唐辛子の本場に思える東南アジアですら、実は中世以降から!
なので中世ヨーロッパでは逆立ちしてもレッドペッパーは手に入らないと思われるも――
実は数種類ほどインド原産種も存在するようです。
これは『異世界でカレーを作ろう!』の下調べで発掘したので、それなりの信ぴょう性も?
ただ、そいつらは唐辛子と呼ばれてないし、インドに数え切れないほどあるスパイスのうち一つ程度だった模様(かなりのマイナー種?)
もしくは辛すぎで食べられないもの――毒物と認識されていた可能性が高いです。
(デスだの王様だの……強烈な系統の原種や改良元な可能性すら!)
また、これを定説として推すには問題点も。
インド原産種とインドで改良された新種の情報が錯綜していて、ネット調査では区別しきれません。
(ちょうど植物泥棒が流行りだした頃なので、誤魔化しも多い。どこからか盗んできたのを「千年前から自生してた」などと偽るパターンも)
真実を探るには科学知識のある人が現地調査しないと無理っぽいです。
別方向のアプローチでカプサイシンの合成も検討しましたが、あれもあれで難点が……。
なので最も簡単かつ夢のある回答は、マイナー種であるインド産カプサイシン系スパイスを入手となります。
そしてカレー可能説を採用する場合、レッドペッパーに理由を用意しとかないとツッコまれてしまいます!
お気をつけを!
リュカの場合は「赤くて辛い香辛料があったら買っといて」と頼み、超際物扱いされているインド原産種を入手したとしています。