こんにちは、アテクシです!
「こんにちは、派遣のオジサンです」
ってことでキリンジ解釈第2弾、今日のお題は『水とテクノクラート』
今回も歌詞引用はしませんので、必要な方はご自分で検索してね。
さて、珍しいタイトルですよね、”てくのくらあと”って何ですか?
「日本語の”技術官僚”だと旧ソ連の政府中枢で暗躍していたイメージだけど、この曲ではもっと下っ端の”技官”といったイメージかな。
とはいえ、国家公務員総合職試験とかを突破したエリート、いわゆるキャリアと呼ばれる将来の幹部候補ではある。
要は理系の公務員です。国土交通省あたりかな」
ふぇ~、お役人様ですか?
「キャリアでも若いうちは現場を知るために地方とかへ飛ばされるからね。
横浜あたりの支所に出向してる若い技官ではなかろうか。
特に理系は現場との係わりが大きいからね」
なぜ横浜あたりと?
「歌詞にもK急って出てくるけど、この曲のテーマは京浜急行なの。
大雨か何かで水の被害が出そう、ってなって、霞が関から支所へ重要施設への視察指令が出て技官君が京急でお出かけになる、というあらすじ。
順番に情景を説明すると、
雨の降る中、かっぱ姿の技官君が水位を警戒して油の浮いた河を眺めている。
天気のせいで既にほの暗い河には周囲の街灯りが映っている。
”ファルセット”は高音の裏声のことだから、携帯電話で女上司の声を遠く聴くと解釈。
”手の鳴る方へ”は目隠し鬼で鬼を誘導する歌文句だな、ここでは上司の誘導、すなわち指令のことだ。
水一滴と同じくらいの軽い扱い、技官君は羽田空港へ向かえと指令を受けた。」
あー、空港のことは歌詞にもありますもんね。電車で行くんですか?
「道路状況を視察するのに車が出払ってるんだろう。
羽田空港へ車で行こうとすると湾岸線だが、ベイブリッジが強風で封鎖されてたのかもしれん。
とすると羽田へのアクセスは浜松町からのモノレールと蒲田からの京急空港線しかない。
京急はどんな災害があっても止まらないことで有名だ、しょっちゅう行先変更するけど。
おそらく技官君は京急横浜駅か京急蒲田駅で羽田空港行きの列車を待っているのだろう」
ここで”メロディー”が出てきますが、これは?
「京急線の主要な駅では列車が駅に接近するとそれぞれの駅にちなんだメロディーが放送されるんだ。
横浜は”ブルーライト・ヨコハマ”、蒲田は”夢で逢えたら”だったらしい。
酸いか甘いか不埒かどうか知らんが、技官君はメロディーが鳴るのを待っている。
問題は京急は支線がたくさんあるので行先の違う列車が次々に来るってことだ。
メロディーが鳴っても羽田行きとは限らない。
さらに大雨のせいでダイヤが乱れている。
なんども同じメロディを聞くことになるんだけど、その合間に余計なミュージックも聞こえてくる。
ここ難解」
はぁ……
「駅の外からかな?とも思ったんだけど、一つ思いついたのは、当時の京急はドイツのシーメンス社製の車両を使っていて、ドレミファインバーターを搭載してたんだよね、今は違うけど」
ドレミファなに?
「インバーターは電源の一部でモーターの回転制御に関係する装置なんだけど、シーメンス社のはモーターの回転数に応じた音程で大きな音が出たんだよね。
だから車両の出発の時にインバーターの音が”ドレミファソラシド~”って聞こえる。
電車が出発するたびに聞こえるドレミファインバーターの音が耳障りなミュージックの正体ではないだろうか、というのが俺の推理だ。
サビに繋がるところで(アー、↑アー、↑アー)と音程を上げていくのがドレミファインバーターを模していると思われる。
実物はもっと速いけど」
”ドレミファソラシド~”はミュージックでしょうか?
「そこは作詞上の都合ということで。
”メロディー”ばっかりになってもね。
あと、途中すっ飛ばした歌詞はだいたいそのままの意味。
で、技官君は無事、羽田空港に着いて仕事も終え、雨脚も弱くなってきて、やれやれと一息ついて女上司の背中のことを妄想していると、その本人から携帯で今度は三崎へ行けと指令が……
羽田空港から直接三崎口へ行く列車はないので、京急蒲田で乗り換えだな。
京急最南端の三崎口へは通常は特急とかも結構出てるんだが、この大雨でことごとく行先変更されてる。
列車接近のメロディーに”今度は来たかな?”と期待が高まるが、来たら行先違いでがっくりカタストロフィー気分。
これが何度も続くのに、ドレミファインバーターはいつも元気で五月蝿いわ!という情景かな。
”肩”と”カタストロフィー”で韻を踏むのがイイね!」
最後駆け足でお疲れ様です。次回エロ特集を予定してます。乞うご期待。
アテクシ
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