みんな物語を書く時にどういう風に話を組み立ててますか? 決まった「体系」とか「作り方」とかってありますか?
その辺は書き手さんごとに千差万別だと思いますし絶対的な正解もないと思いますが、なんか一つの参考になればいいなと思って『リリとリラの托卵周遊記』を書いた時の制作の流れを書き留めておきます。
いつか自分が書けなくなった時の備忘録としても……。
1 「文字数」を決める
私、これが決まらないと絶対に書けないです。正確な文字数じゃなくても1万字未満の短編とか、12万字くらいの長編とか大体の理想を出しておきます。完成した時のパッケージされた作品を先に思い描いてないと「あれ、どこまで書けばいいんだこれ?」ってなってグダグダになってしまうので。
『リリとリラ』は別サイトのコンテスト用で、最大8千字と先に決まっているので書きやすかったです。となるとおよそ4千字で中間地点、6千字くらいからクライマックスに向けて盛り上げていく、という物語の流れが決まってきます。
書かなきゃいけないエピソード数とかボリューム感も定まって、これから書く物語の全体を俯瞰できます。
2 「何を書くか」を決める
たぶん1と同じタイミングで考えてます。コンテストは「たまご」というお題があったので、自分の書きたいもの、期間内に書き上げる気になれそうなものを考えて「竜の卵を孵すほのぼのファンタジー」にしようかなと思いました。
3 アイデアを書き出してテンションを上げる
この、アイデアを使える使えないとか関係なくダ~っと書き出してく時間が一番好き! 冷蔵庫を開けて、調味料棚を眺めて、スーパーに買い出しに行ってどんどん食材を揃えていくかんじ。
春、旅、東洋風、グルメ、そら豆、春キャベツ、ライチシャーベット、藤の花、竜、星空、等々……。
ここで「絶対良い作品になる気がする!」っていう気持ちを最大限に上げておくことが重要だと個人的に思っています。そうしないとこの後に続く地獄の初稿執筆に耐えられない……!
4 話の流れ、特に「クライマックス」を考える
私の文体って、全体的にサラッとしてるというか、きれいめだけど感情に訴えかける部分が弱いんですよね(相対的な自己評価です、みんなエモ書くの上手すぎ!)。だから読んだ人に感動してもらうには「ここが一番の見せ場!」っていう所を自分でしっかり意識して、大げさなくらい盛り上げないといけないんです。
『リリとリラ』のクライマックスはやっぱり竜の卵が孵るところ。それまでの流れは全部、そこが輝くための伏線になってるような流れを意識します。
5 「障害」と「キャラ」の設定
「竜の卵を孵す」が最終的な目的なら、その目的を阻むものも考えます。
普通だったら卵を奪いに来た敵キャラとの闘いなんですが、今回はほのぼのなのでそういうのは考えてません。なので「竜の卵が孵りたくないと思っている」という設定にしました。孵す卵自体がラスボスで、その心を動かすことがクリア条件になりました。
そこから「じゃあ何で孵りたくないのかな?」を考えて、それを解決できそうなキャラクターを主人公にします。主人公が双子の少女になったのはこの時です。一人じゃ足りないというか、話が膨らまないなと思って。さらに「もう一つの卵」という支援キャラを用意して、彼女たちが「竜の卵を孵さなければいけない」ことに疑問を持たれない世界観を組み立てていきました。
な、長い……。残りはまた後日書きます!
後半は「テーマを明確にする」、「プロット(っぽいもの)を書く」、「初稿を書く」、「作品を寝かせる」、「推敲をする」、「読者の気持ちで読む」みたいなかんじになるかと思います。
書き手さんは「へぇ、上杉はこの話をこんな風に書いたんだ」って軽い気持ちで見ていただければ幸いです。人は人、自分は自分なので。その中で何か参考になる部分があるようなら書いた甲斐があったなあって嬉しくなります。
ではまた後日、後半をお楽しみにー!
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