作者のプロフィールやキャッチコピーにも書きましたが、先日「劇場版 仮面ライダーゴースト 100の眼魂とゴースト運命の瞬間」にオリジナル眼魂を採用して頂きました。友人、学力に加えて運もゼロな自分が採用されるとは、これも首塚にお参りに行ったおかげかも知れません。将門公のパワー、恐るべし。
実を言うと、「採用者には事前に連絡がある」と思い込んでいた烏田は、結果が発表された際も東映様のHPを確認しませんでした。やっぱダメだったかあ~、そらそんなに世の中甘くないわなと、何も知らずに劇場へ行ったわけです。
――で、いつものようにパンフレットを買って、あ~らびっくり。並み居る力作に交じって、どっかで見覚えのある作品が掲載されてるじゃありませんか。
似たような発想の人はいるもんだなあ、AHAHAと、作者名を見てあ~らびっくり。そこには間抜けなペンネームが。
きっと夢なのさ、にんべんに夢と書いて儚いと読むと、烏田は自分に言い聞かせましたが、目が覚める気配は一向にありません。一分、二分と時間が経ち、開きっぱなしだった目が充血するにあたって、スカポンタンな烏田もようやく理解しました。
夢ちゃうわ……。
歓喜する以上に狼狽し、ポップコーンをまき散らす姿は、完全に脱法的な薬物をやっている人だったと思います。この時の気分は、本屋で「お父さんは心配症」を探す男子高校生(後の椎名高志先生らしい)と遭遇したあーみん大先生に近かったかも知れません。
自分にとって記念すべき作品になった映画ですが、正直、内容はよく憶えてません。バター味のポップコーンも、この日ばかりは無味無臭でした。
では偉大なる東映様のお眼鏡に適ったのは、いかなる大作なのか? パンフレットをお持ちの方は、是非ご覧になって下さい。
ただのハートやんけ。
ベルギーの劇場のロゴに似てる! とか言う以前に、古今東西、何万回も使われてきたデザインです。しかも他の方たちがプロレベルの作品を送っている中、自分だけド下手な落書き(文章力も壊滅的な烏田ですが、画力は小学生レベルです)。あれを採用してしまうとは、さすが東映様、器がデカい。
少しだけ言いわけすると、このハートマークはダビデ像の目です。制作中(と言うほど大層な代物ではないのですが)に「ダビデ像の目はハートマークになっている」と言うトリビアを思い出し、このようなデザインに到りました。
落書きだけでは意味が伝わらないと考えた作者は、応募用のメールにも同様の内容を記しました。もしかしたら「目」と言うキーワードが、同じく目を基調にするゴーストに似合うと判断して頂けたのかも知れません。
実は他にも七人分ほど応募させて頂いたのですが、どうもミケランジェロさんとの間には奇妙な因縁があるようです(笑) 何件も応募してきた気合に免じて、マシなやつを採用して頂いただけかも知れませんが。
個人的に眼魂のデザインは、ガイアメモリのアルファベット(ティーレックスなら「T」がティラノサウルスの横顔になっている)に並ぶ傑作だと思います。勿論、ライダーや怪人のデザインも、一般的なパワードスーツやクリーチャーにはない魅力を持っています。
ただかっこいいだけではなく、受け手に「何、コレ?」と興味を持たせるヘンテコさを与えることは、烏田が小道具を考える上で絶対のお手本でした。ネクタイになる卒塔婆やペッパーミルなお地蔵さんも、ライダーのおかげで考えついたものです。
そこに少しでも関われたことは、烏田の人生にとって掛け値なしに誇れる経験になりました。実は本名を書くのを忘れて、東映様からメールを頂いてしまったのですが、まだドッキリじゃないかと疑ってます。そう言えば最近、プラカードを持った赤ヘルが近所をうろついてるような?