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メタフィクションとは違う何かの蠢きを感じながら..。


感動の原像を考えるに、表現には様々な様式がある。音や映像色彩、音律音感。そして文字配列の記号的抽象性..いわゆる文字喚起の作話効果つまり想像力によるイメージ喚起の体験..。

それぞれが主体の感性に繋がっている。

音楽の感動や名画の感動。美食の味わい。様々な感動がある。文学は読む行為にあるのだが、読者と作者の入れ替わりの試みがあってもいいのかも知れない。つまり、読者が書く。作者が読者になるというか読み書くそれぞれの行為を表裏一体の逆転を成す。

作中、謎の読書会に作家が参加する。その読書会で自作が論評され、加筆、推敲されて、さながら、編集会議の様相を呈する。作家は文学裁判の被告となって捌かれる。

文学の論告求刑..カフカの審判のように..。裁判自体が行われず、無惨にも刑が執行されるの何とも言えない反物語のカオス..城にも通じるあの想像も拒む反小説の体験である。

謎の読書会では作者も読者も実はフィクショナルなテクストの一部となる。作中では文学が論じられ創作され直して小説は完成するしかし..事件が起きる。

メタフィクションとは違う何かの蠢きを感じながら..。



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