突然ですが、貴志祐介先生の『悪の教典』を読んだことはありますか。
イケメンで頭脳明晰、さらには運動神経も良くて、周りからの信頼も厚い――そのすべてを兼ね備えた高校の英語教師・蓮実聖司(はすみ せいじ)は、邪魔者を徹底的に排除するサイコパスだった、という話です。
この設定で、貴志先生は『悪の教典』を上・下と2冊書き上げたのですが、どちらも凄く面白い。冒頭で惹きこまれて、終わりで「続きが読みたい!」となりました。
でも、肝心の中身が面白くないと、途中で読むのを投げ出したくなる――『悪の教典』は、そうはならなかった。
結構リアリティがあったんです。描写もそうだけど、なんちゃっての知識とは違い、よく調べ上げている。それでいて、情報過多にもなっていない。
そして、蓮実聖司のサイコパスな一面に「人間の怖さ」を感じました。簡単に言えば、日常に潜むサイコパスでしょうか。
「うわあ、こういうキャラ書いてみたい」
気が付けば、狂人とかサイコパスに惹かれつつあります(『悪の教典』を読んだのは、かなり前だった気がしますが)。
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と、サイコパスについて長々と語りましたが、拙作『人に巣食う虫』にもサイコパスが登場します。
現在、リアルなサイコパスを描くために資料を読んでいるところです。
学んだことの復習がてら、サイコパス診断とかいう、ウサンク……コホン、まあそういう類いのを色々と受けて、(すべての診断で)ほぼ満点近くのサイコパスになれました。「サイコパスならこう答えるだろう」という視点とはいえ、恐ろしいものですね。