• に登録
  • 創作論・評論
  • 詩・童話・その他

「人に巣食う虫」の創作記録⑥

突然ですが、貴志祐介先生の『悪の教典』を読んだことはありますか。

イケメンで頭脳明晰、さらには運動神経も良くて、周りからの信頼も厚い――そのすべてを兼ね備えた高校の英語教師・蓮実聖司(はすみ せいじ)は、邪魔者を徹底的に排除するサイコパスだった、という話です。

この設定で、貴志先生は『悪の教典』を上・下と2冊書き上げたのですが、どちらも凄く面白い。冒頭で惹きこまれて、終わりで「続きが読みたい!」となりました。

でも、肝心の中身が面白くないと、途中で読むのを投げ出したくなる――『悪の教典』は、そうはならなかった。

結構リアリティがあったんです。描写もそうだけど、なんちゃっての知識とは違い、よく調べ上げている。それでいて、情報過多にもなっていない。

そして、蓮実聖司のサイコパスな一面に「人間の怖さ」を感じました。簡単に言えば、日常に潜むサイコパスでしょうか。

「うわあ、こういうキャラ書いてみたい」

気が付けば、狂人とかサイコパスに惹かれつつあります(『悪の教典』を読んだのは、かなり前だった気がしますが)。

――
と、サイコパスについて長々と語りましたが、拙作『人に巣食う虫』にもサイコパスが登場します。

現在、リアルなサイコパスを描くために資料を読んでいるところです。

学んだことの復習がてら、サイコパス診断とかいう、ウサンク……コホン、まあそういう類いのを色々と受けて、(すべての診断で)ほぼ満点近くのサイコパスになれました。「サイコパスならこう答えるだろう」という視点とはいえ、恐ろしいものですね。

4件のコメント

  • サイコパスを描くためにサイコパスである必要はないのですよ〜〜〜💦
  • ハハハハ……アァァ、段々と自分が心配になってきた。
  •  異常心理、理解できても共感しなければ大丈夫だと思いますよ~(^▽^●) 

    『サイコパス』という言葉、昔流行りましたね。(あ、もしかするとその頃まだお生まれになってないかも)
     当時も関連本かなり出てました。
     私が読んだのはFBI捜査官の書いた、サイコパス系犯罪者の心理分析でした。

     まあどれもこれも、一般からズレた歪んだ思考に陥ってしまっているのですが、共通するのは被害者を人と思えなくなっているところでしょうか。
     物だからこそ壊せるんですね。感情移入しないから。
     
     なのであるシリアルキラーが最後の犠牲者を殺そうとした時、彼女がした命乞いが自分の気持ちに刺さって――たまたま自分と似てる境遇があった――物から人に見えてきて殺せなくなってしまった。
     それが元で捕まってしまったのですが、そこのポイントが興味深かったです。

     とまあ、御作のサイコパス系とは関係ない話になって失礼いたしました。
     私もサイコパス系は好きなので、つい話したくなりまして。
     御作の再開を楽しみにしております。 
  • >異常心理、理解できても共感しなければ大丈夫

    本当にそうですよねえ。共感しちゃうと、ちょっと危ない気がします。でもある意味では、サイコパスの人も被害者ですよね。

    もちろん、凶悪犯罪に手を染めること自体は悪ですが、かといってサイコパスは「なろうとして、なれるものではない」んです。脳の働きに異常があるから、結果的にサイコパスになってしまうんですよね。内側前頭前皮質と扁桃体の結びつきが弱いため、良心の呵責がないようです。

    とはいえ、一概にサイコパスといっても、心理学的には”良いサイコパス”と”悪いサイコパス”がいます。サイコパス=悪、という誤った考えをひろめないようにしたいですね。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する