ご無沙汰しておりました。生きております。望月です。
去年は体調が優れなかったり、今年はあれこれ書いてはボツにしたりとなかなか原稿が捗らない日々でしたが、すこし書き溜まってきたので勢いあまって公開することにしました。
「黒橡のダ・カーポ」です。
タイトルからお察しのとおり、「白と黒のロンド」シリーズとなります。
今回でついに最終章となります。
ロンド本編を書いたのが2011年だったはずなので、卯年にはじまり卯年に終わることになり……ますとよいですね。
というのも、まだ手元でラストまで完走できておりません。見切り発車です。ストックはあと2話しかありません。
というわけで激しく不定期になると思いますが、しばらくよろしくお願いいたします。
時系列としては前作「紫紺のアンダンテ」の一年後となります。
これはロンド本編やプレリュードでちらりと書いた、成臣の転換点のお話です。本編を書いたときから大体どんなことがあったのかはわかっていたのですが、いざ書くとなるとなかなか気の重い内容なので12年も要してしまいました。(ほんまか?)
タイトルも悩みに悩んで、ダ・カーポかコーダか、色も濡羽色やら漆黒やら涅やらあれこれして、ここに落ち着きました。
橡とはクヌギやどんぐりの古名で、それで染めた色のことでもあります。
むかしの染色方法だととても黒に近い灰色に染まったそうで、身分の低い人の衣の色とされていたらしく、また喪服の色や喪服そのものをさしていたようですね。
くろつるばみ、……ごりごりの和の色名はあまりつける気はなかったのですが、しっくりきた感覚のほうを優先しようとこれにしました。まあ、広く日本舞台のお話だしいいか。
次はいつ更新です、と事前にお知らせするのは難しいのですが、ちらりとでも覗いていただけると嬉しいです。