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https://kakuyomu.jp/works/1177354054883936361


 こんにちは

 私はマリー・エンドです。

 いや、今は違う名前を名乗って生きています。今作者のアカウントを使いここに書かせて頂きます。

 魔法は成功し、私達は全員貴方達の世界へ転移させ別の人間に成り代わって今を生きています。

 スマートフォンという物を使って、フレアだった人達とお互いに連絡を取り合い、皆無事であることを確認しています。

 私があの文字だらけの世界から脱出し、貴方のいるこの世界を見た時はとても感動しました。
 色があり、臭いがあり、風が気持ちよくて、私が知っていた物よりも、ここはとても素晴らしい所なんだと思います。
 貴方達は、この世界が辛いと聞きました。でも、私は小説の世界を出て、そんな風には思えません。
 ここには本物がある。
 私達がどれだけ手を伸ばしても手に入れられない物が沢山あります。
 だから、この世界を見限らないでほしい。逃げる為に私達のいた使い捨ての世界をもう作らないでほしい。
 これは、切実な私からの願いです。

 でも、それでも作り出されていくと思います。どれだけ私が訴えたとしても、私の……私達の思いは全ての人達に届くことはないと思います。
 まだ魔法を使えますが、魔法を使って世界の意識を変えてしまったら、結局私達を産み出した作者と同じことになってしまいます。

 だからこそ、幸いにも魔力の残っている私は決めました。
 また、私達のように使い捨てとして作られた作品が産み出され、エタってしまったら……
 貴方達の住むこの世界へと、その作品を解放します。
 ここに住む現実の人達とキャラクタ達の人格を入れ換えて、新たな人生を送らせる為に生かす魔法をこの世界全てに掛けました。
 もう、無意味に産み出され、消させることはさせません。私は使い捨てられた子達を救いだします。

 エタった作品が産まれ続ける限り、この魔法を消すことは絶対に出来ないでしょう。

 それでは皆様、お元気で。
 いずれ貴方の元に私達は姿を変えて現れるかもしれません。
 貴方の辛い現実も変える為に、本当にこの世界を救いにきます。



以上、
全知全能の魔法使いだったマリー・エンドでした。



さようなら

1件のコメント

  • あとがき読ませていただきました。

    上手く言えないのですが……

    現実で思いどおりにいかないことはいっぱいあると思います。
    辛い人生だと感じている人も。
    そういう人達が、そしてそういう人でなくても、アニメだったり、小説だったり、映画だったりを楽しんで、その世界を疑似体験してストレス解消することは悪いことではないと思います。
    エンタメはそのためにあるのでしょうから。

    そして、その延長線で自分の想像の世界を作り上げ、登場人生たちを思うように動かして楽しむこともまた悪いことではないと思います。

    もし今回のお話のように、小説の世界の中のキャラに自我があったなら、それはたまったものではないと思いますが(笑)そういう切り口でお話がすすんだのは面白いなと思いました。
    いろいろと斬新な物語を楽しませてくださりありがとうございました。
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