「血と肉と骨」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054882841288に樋口めぐむさんからレビューをいただきました。ありがたい。
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https://kakuyomu.jp/works/1177354054882841288/reviews/1177354054885244433全体的に図星でした。子供の心を持った大人というのはまさにそうですね。ちょっと痛い大人。
痛さを突き詰めると天才みたいに呼ばれるのかなと思って書いたお話です。
創作論の一部を定期的に呟くボットみたいなのをフォローしているんですが、そのなかに(出典忘れた)はじめに書く物語が上手くいかないのは当然でそれは心の中の澱みたいなのが出てくるから。っていうようなことを(超意訳)書いてあって、あーそうかと思って。
というのも澱を出しきった覚えがなかったから、どうも中途半端な創作しかできなかったのかなと思い至ったんです。そういうわけで、澱、だそう。と思って書いたのが、レビューを頂いた作品になります。澱。
昨今では厨二病を忌み嫌う風潮があると思うんですが、中二は大事だと思うんです。中二の頃、思考のベースは「今のあなた」で決まるんですよ、と声をかけてくれた大人がいまして、当時はそうなのかなと半信半疑だったんですが、自分がいよいよ大人になった段階で、どうもそうかもしれない。と感じ始めました。
それに加えて世の中にはびこる天才のイメージが、なんでもできるスーパーエリートみたいになってるのが不安で、天才って突き詰めて痛い人のことじゃなかったっけ、と思って書いたのもあります。周囲の不理解とか不和は天才のエピソードにつきもので。近頃の風潮を見ていると、やたらと均質なものを求める性質が見られるというか、それって才能を殺す一番の近道じゃないですか、と思ってしまう。
普段から人と違うことをしているから異なった発想が生まれるし、それを理解されることもほとんどない。大半の天才は理解を得られないまま死んでいってるし、運の良かった人だけが世に名前を刻む、でも生前の評判は散々だったり。簡単に言うと「ぼくのかんがえたさいきょうのてんさい」のお話だということですね。
私はそこまで人間を捨てられる度胸もないし、突き詰めるような才覚もないんですが、多少痛い人なのは自覚しているので、レベルの違う痛さを見た時に、感動してしまう。天才だなって。思います。好きなんですよね、偏屈な人とか頭の痛い人とか周りに理解されない謎のこだわりがある人。男女問わず大好きで。
そういう人を救い上げてくれる人が増えたらなって思ってます。ひとりでも誰か理解してくれたら、違うんだよって。
痛い、っていうのにはいろんな意味を込めていて、例えばセンサーの鋭さは世の中のちょっとした凹凸に敏感っていうことでもある。普通の人が蚊にさされたくらいの痛みに悶絶してたり、するのが天才だと思うんですね。
そういう不理解に苦しむ人が救われる話を書きたかった。途中ですけど。
それからヒーロー、ヒロイン不在の話が書きたかったんです。誰もが救われていいんだよって、言いたかった。でもやってみるとけっこう難しい。
ところで「カノホモ」正式名称「彼女が好きなのはホモであって僕ではない」みなさん読んでますか。私は書籍化バージョンを読んでます。
少しは分析的な目を養うぞ★。と思いながら読み始めたんですけど、結局三章から平静を失って感情的に泣きながら読んでます。215ページ。クラスにゲイばれした純君が飛び降りた先でお見舞いに来た三浦さんが貸してくれたBL本の感想を求められて漏らした一言「ホモ、多すぎ」涙が止まりました。笑いました。浅原さんのこういうとこ好き。
他にも「彼女が好きなのは僕であって、ホモではない」に転じるところとか。好きなところはたくさんある。実は私はクイーンは詳しくなくて、三浦さんが知ってる曲しか知らなかった。これを機に聞いてみようかなと思いましたよ、特に二作目のアルバム。
エッセイでも「ベースメントタイムズ」を愛読してる、って書いてるのでついでだから触れておくんですが、私の好きな石左さんというライターさんも「ホモ歌うますぎ」っていう特集でクイーンとかザ・スミスを紹介していたんですが、ホモが歌うまいわけじゃなくて、時代背景を考えると芸能関係以外のお仕事をしているゲイは性的指向をオープンにできなかっただけでは? 芸能人は人権を認められていないところがあって、交友関係を根堀葉掘り報道されますからね。なのに記事の中でモリッシーが「花束ホモ」って紹介されてる。ちょっと切ないよね。石左さんもモリッシーも好きですけどね。
私の知り合いにもクイーンファン、いるんですが、その人はフレディのセクシュアリティについては触れてほしくない派みたい。浅原さんはそういうところを上手く抉りとって作品にしているのですごいと思いました。
そういう、世の中のみんながそっとしておくような箇所を色々つきつけられる本なので超好きです。私は小野くんみたいな男の子がとても苦手で今でも好きではないですが、物語的にはいい味出してる。必要なやつだなって思ったりもしました。大人になった・・・・・。
全部ひっくるめて好きな本だなって思います。表紙の字体がすごく好き。みんなも読もうぜ。