僕が書く世界観って、結構厳しい感じのものが多いんです。現代舞台の短編はそれほどなんですが、それでも登場人物の背景に暗い何かを負わせたりすることが多い傾向があります。
ファンタジーなんか、ほとんど滅ぶ寸前みたいな世界を書きがちです。今書いている終末世界の旅物なんて、2度滅び済みで3回目の滅びが近い国が舞台になっています。
ただ、描写とかシナリオラインとか、そういうところで優しさを出したいんですよね。
厳しい世界を優しく書きたいなあと、僕はよく思っています。
『ダウナーお姉さんと二人で駄弁るだけ』は、それを常に意識しながら書いたやつです。色々なものが崩壊している世界で、二人だけの旅をしながら会話はほのぼのとしているし、お互いに優しい。
厳しい世界でこそ、人の優しさとか温かさとかが映えると思うんです。
そういうのを読むのが好きだから、自分が書くときもそういうのになりがちなんでしょうね。
ただ、緊張感は持たせたいという贅沢な悩みがあります。
緊張感は持たせつつ、全体的な雰囲気は優しくしたいんですよね。あくまでも作品全体から漂う雰囲気をそうしたいという感じです。
まあ、僕にはなかなかに難しいんですけどね。
メリーバッドエンド病にかかっている人間としては、とても難しい……。