本題の前に、まずは近況から。
ペンタブを買いました。Xp-penの「Deco 01 V2」という、6000円くらいのモデルです。
Amazonでクーポン&ポイントで1000円引きにして買いまして、先日届きました。有料ソフトが無料で使える特典付き。お得!
早速お絵描きしてみましたが、「へったくそーw」と言いながら、楽しくお絵かきしています。Kindle Unlimitedで、いくつか教則本が無料だったのでダウンロードし、読みつつ描きつつ。
そんなこんなで、本題です。
以前、本を読まない学生たちへ仕事でアンケートを取ったことがあります。インタビューも少しだけしました。
「若者の読書離れ」が叫ばれるようになって久しいわけですが、その原因を当事者から聞くという企画です。
最も多かったのは、「苦行だから」「面白くないから」「ながら読みできないから」でした。
読書が好きな人たちからしたら、「読書が苦行」というのはわかるようでわからないことだと思います。僕は「まあ気持ちはわかるけど、読めば面白いんだよなあ」という気持ちです。読む前は、なんとなくハードルが高く感じて、積んだりするんですが、読み始めると面白くて止まらないんですよね。
ところが、苦行。
なぜか。
インタビュー結果に僕の解釈を加えてまとめると、次のようになります。
子供の頃、教師や親たちに「本を読みなさい」と半ば強制的に本を読まされた経験があるという人は多いでしょう。僕もそうでした。ゲームを長時間プレイしていると「勉強しなさい」と怒られるのに、小説を読んでいて「勉強しなさい」と言われたことはありません。
小学生の頃は、朝の10分間読書の時間がありました。
思うに、大人たちは子供に対し、勉強の一環として本を読ませたがっています。
事実、本は勉強になるものも多いですが、実際に朝の読書タイムで読んでるのは小説が大半でした。小説は、本来は勉強のためのものではなく、エンタメコンテンツです。
しかし、子供の頃から勉強の一環として本を半ば無理やり読まされてきたことから、小説すらも勉強であり苦行である、という認識になっているようでした。
だから本は苦行。子供の頃の読書の原体験がトラウマになっているケースですね。
では、「面白くない」のはどうしてか。
これは、現在ある他のさまざまなコンテンツと比較して答える人が多数でした。
アニメ・ドラマ・映画などの映像コンテンツと、ゲームなどの遊戯コンテンツ。
前者は「キャラクターが動いて喋る」というのが、本と比べたときの強みです。視覚的演出、音楽演出など演出面でストーリーを盛り上げられます。
ゲームはストーリーを映像・音楽で盛り上げ、自分で動かす楽しさがストーリーへの没入感を上げます。わかりやすく楽しいエンタメコンテンツです。
一方本は、想像・空想するしかありません。活字を読みながら脳内で動きを想像して、楽しみます。声は勝手に誰の声かわからない声で空想したり、特定の声優さんの声を想像したりして補完するしかありません。
これが面白くないのだそうです。
「漫画はどうか」と聞いてみたところ、「漫画もアニメがあるじゃん」とのこと。アニメで好きになり、話が気になって漫画で先を読むことはしないのかと聞いたら、「しない」とバッサリ切られました。
アニメとして好きなのであって、それで原作を買ったりはしないそうです。
たとえば鬼滅やワンピースなどのような社会現象を起こすくらいの作品になると、話題についていくために読むということはします。
ただ、ほかの作品に関してはしないそうです。これは、僕も似たようなものなのでわかります。僕は小説は読みますが、漫画はそれほど読みません。アニメが未完のままで、後から気になって読むことはありますが。
また、本は現在の若者のコンテンツ消化傾向とも合わないようです。
近年は、Youtubeやサブスクの配信サービスなどの動画を見ながらゲームをするというように、コンテンツを同時に消化するスタイルが主流になっています。動画や映画すら倍速で見るという人が多いです。
うちの兄は「テレビを見ながらYoutubeを見る」というのを、よくやっています。リビングで食事中にされるので、僕からしたら左右から違う音が聞こえるのがすごく不快ですが……。
一方、本は活字から想像をふくらませるという性質上、集中して読まないと話がわかりません。そうして一つのコンテンツに時間が取られるのは、忙しい現在の学生や社会人にとっては好ましくないことなんだそうです。
小学生すら、忙しいですから。8割程度が習い事をしている状況のようで、友達と放課後に遊ぶ時間すら少ないのに、本なんて読んでられませんよね。
僕ら読書好きがいくら「本はいいぞ!」「本は読んどけ!」と言っても、読書離れは止まらないということです。むしろ、そう言えば言うほど読書離れが加速するように思います。
子供に読書を強制させたら、いかんのやな……。
僕は強制される前に好きになっていたので読書好きですが、自発的に触れる前に強制的に触れさせると、読書嫌いになるのかもしれません。
また、読書はある意味才能がいります。僕は歩いているとき、無意識に空想してしまうのですが、普通はあまりしないようです。何も考えず歩いているか、音楽を聞きながら歩いているか、スマホ見ながら歩いているので空想しないのだとか。
そもそも空想するという習慣がないらしく、「歩いてるときとか風呂入ってるときとか色々空想しちゃうよね」と言うと首を傾げられました。
空想というのは誰もが行うことだと思っていましたが、そうではない様子。空想力は誰もが持っている能力ではありません。
インスタント的にコンテンツを消化する時代に、想像力・空想力が必要な本が流行らないのは当然のことですね。