皆様こんばんは。
暖かかったり寒かったり、自律神経をやられにやられている新井です。
春になると大気に舞うヤツの気配も感じます。はえーのよ。
カクヨムコン最終週に読む小説を募集させていただきました。
今回はそのご参加作品＋読みに行って気に入った作品のご紹介です。
意図したわけではないのですが、すべて完結作品もしくは短編のご紹介となります。
■星降堂の魔女の弟子 （LeeArgent様）
https://kakuyomu.jp/works/16817330667711958759じんわりと心に沁みる、優しい児童文学です。
世界を渡り歩く魔法のお店、星降堂。
主人公は、亡くしたお母さんを生き返らせたくて、毎日魔法の練習をしている男の子。
世界を渡り歩く星降堂が彼の前に現れるところからお話は始まります。
魔法のキラキラした優しい物語の奥でひそやかに進む、魔法と人を通して、空くんがゆっくりと自分の心に向き合っていく姿がとても良い。
自分と世界に向き合った少年が、最後に何を選び取るのか――是非その目で確かめてみて欲しいです。
優しい筆致で紡がれる、素敵なお話でした。
■息子の押し入れには人外が住んでいる （笹木柑那様）
https://kakuyomu.jp/works/16817330667669507521押入れの中にこっそり住んでいる人外のそれとの、SF（すこしふしぎ）な物語。
なんだか息子が隠し事をしてるみたい、とお母さんが気付く所から始まるお話です。
物語が展開していくストーリーの中心にいるのは息子なのですが、それを見ているお母さんの視点で紡がれるというのがなかなか新鮮で面白かったです。
押入れの中にいた人外さん、滅茶苦茶好きです。いいキャラしてる。
よくある日常にほんの少しの不思議を添えて。
息子の成長と、母の気持ちと、家族の絆が暖かく交錯する素敵なお話です。
■君の見る世界 （ミハナ様）
https://kakuyomu.jp/works/16817330668098846910無職の「りっくん」と彼と交流を持つ女の子の物語。
女の子とりっくんの交互の視点で進むお話ですが、「りっくん」は何をしたのか、この歪な関係はどこに落ちていくのかという面白さでググっと一気読みしました。
1話が短いのもガシガシ読めてしまって、とても良かったです。
ラストの展開がとても素敵な一作。
■星鳴きの森 （料簡様）
https://kakuyomu.jp/works/16817330651547640051星を見るために森に出かけた男の子と女の子の物語。
目の見えない方に星を見せる、というテーマがとても綺麗でいいな、と思いました。
音が聞こえて、星が見えてくるような描写が素晴らしいです。
どう転がっていくかのストーリーラインは序盤から見えているのですが、それに対する女の子の反応がとても楽しい作品でした。
■リアル・マシュマロ・ブレット （矢向 亜紀様）
https://kakuyomu.jp/works/16817139557813171479「#realmarshmallowbullet
ここ最近、どのSNSを開いてもこのハッシュタグは延々とトレンドに乗り続けている。」
この書き出しがもうすごい。
人間の害意がお菓子に変わってしまう変化を遂げた世界。
ふわふわ、甘いお話？とんでもない。
人間を害することのできるものがすべて甘いお菓子に変わってしまっても、きっと人間の本質は変わらないのです。
背筋がぞくぞくする、すごく面白い短編でした。
■ニュー・シネマ・インフェルノ（沙月Q様）
https://kakuyomu.jp/works/16817139557783394567タイパ。最近よく聞くようになりましたよね、タイムパフォーマンス。
そんなタイパのひとつ、ファスト映画に焦点を当てた物語。
とはいっても稚拙な切り貼りで作られたファスト映画ではありません。
人間の認識力のほうを引き延ばして数分で見れてしまうようになるのです。
それがどのような結果をもたらすのか――予想外の展開にドキリとすること間違いなしです。
本日は６作品のご紹介でした。
また新たなヨム企画も始まっているようですね。
気になる作品がありましたら、ぜひ足をお運びください。