沖縄は狭い、という話。
久しぶりに重負荷筋トレをしにジムに寄った
入っていきなり「うわっ、さむうっ!」
業務用冷凍庫に入ったのかと思うほどクーラーが効き過ぎている
見ると通路を歩いている人たちも、腕を組んで猫背ぎみにぷるぷる震えている
いやいやおかしいやろ設定温度!
すぐに受付の顔見知りのお兄ちゃんに
「いくらなんでも寒すぎやろ!みんなプルプルしとるやないか笑」と苦情を言う
「あっ・・・すみません・・・あの・・・」
「あの?なんや?」
「あちらの方々がつい先ほど『暑い!』と言ってこられて」
お兄ちゃんがさり気なく指差した先に3人、オッサンがいる
「それで下げたんかいな?んなもん適正温度があろうが?こんなん汗引いたら皆、風邪ひくぞ?!」
「はい、そうなんですが・・・」
「あかんあかん!すぐ元に戻せ!アイツら何か言うてきたら俺を呼べ!」
そう言って目の前で、適温にまで設定を戻させる
別に男気を出したわけではない。俺でなくともそのうち、誰かが言ってきただろう。
俺はまずダンベルのコーナーに向かい、徐々にプレートを変えて体を温めていく
室温もだんだん戻ってきたようだ
ベンチに座り、重くしたダンベルをカールしようと目線を上げると
例の3人が受付に向かうのが見えた
すぐにダンベルを置き、俺も受付に向かう
3人がお兄ちゃんに何か言っている
お兄ちゃんは、近付いてきた俺を見て、手で制する
その制した手に3人が気付き、こちらを見た
多少揉めるかも知れんが仕方ないな。
3人は俺に向かってこようとして
「・・・あ!この人!」
「あれ?見たことが・・・誰だっけ?!」
「◯◯で『どんぎつねコン』ってやってた・・・」
「あっ!どんぎつねコンだ!!」
俺を指差し、何やら盛り上がっている
「5月初めに、松山の◯◯で耳付けて『どんぎつねコン』ってやってた人ですよね?」
「ゼーッタイこの人やっさ!」
ああ・・・笑
これが初めてではない
客を連れて連日連夜、色んな店に訪れては太鼓持ちしてるのだから
あっあの人!と言われるのには、多少慣れている
「私たち県の者ですが、隣の席で飲んでいて、しに(めちゃくちゃ)笑いました!」
なんか分からんがウケてくれたようだ
「それはどうも、有難うございます」
「何をされてる方なんですか?」
あ、それじゃ後で名刺交換でも・・・ということになり、とりあえず筋トレに戻る
なんか温度の件はどうでも良くなったみたいだ
受付のお兄ちゃんが「Tさん『どんぎつねコン』って何なんですか?」と笑う
・・・確かに5月、その店で耳付けて余興したような記憶はある
しかし残念ながらあれは「どんぎつねコン」ではない
あれは俺の十八番「うさみみスパイぴょん」だ
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