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冷えたジムにて(あり乾杯 第 -6 話)

沖縄は狭い、という話。

久しぶりに重負荷筋トレをしにジムに寄った

入っていきなり「うわっ、さむうっ!」

業務用冷凍庫に入ったのかと思うほどクーラーが効き過ぎている

見ると通路を歩いている人たちも、腕を組んで猫背ぎみにぷるぷる震えている

いやいやおかしいやろ設定温度!

すぐに受付の顔見知りのお兄ちゃんに

「いくらなんでも寒すぎやろ!みんなプルプルしとるやないか笑」と苦情を言う

「あっ・・・すみません・・・あの・・・」

「あの?なんや?」

「あちらの方々がつい先ほど『暑い!』と言ってこられて」

お兄ちゃんがさり気なく指差した先に3人、オッサンがいる

「それで下げたんかいな?んなもん適正温度があろうが?こんなん汗引いたら皆、風邪ひくぞ?!」

「はい、そうなんですが・・・」

「あかんあかん!すぐ元に戻せ!アイツら何か言うてきたら俺を呼べ!」

そう言って目の前で、適温にまで設定を戻させる

別に男気を出したわけではない。俺でなくともそのうち、誰かが言ってきただろう。

俺はまずダンベルのコーナーに向かい、徐々にプレートを変えて体を温めていく

室温もだんだん戻ってきたようだ

ベンチに座り、重くしたダンベルをカールしようと目線を上げると

例の3人が受付に向かうのが見えた

すぐにダンベルを置き、俺も受付に向かう

3人がお兄ちゃんに何か言っている

お兄ちゃんは、近付いてきた俺を見て、手で制する

その制した手に3人が気付き、こちらを見た

多少揉めるかも知れんが仕方ないな。

3人は俺に向かってこようとして

「・・・あ!この人!」

「あれ?見たことが・・・誰だっけ?!」

「◯◯で『どんぎつねコン』ってやってた・・・」

「あっ!どんぎつねコンだ!!」

俺を指差し、何やら盛り上がっている

「5月初めに、松山の◯◯で耳付けて『どんぎつねコン』ってやってた人ですよね?」

「ゼーッタイこの人やっさ!」

ああ・・・笑

これが初めてではない

客を連れて連日連夜、色んな店に訪れては太鼓持ちしてるのだから

あっあの人!と言われるのには、多少慣れている

「私たち県の者ですが、隣の席で飲んでいて、しに(めちゃくちゃ)笑いました!」

なんか分からんがウケてくれたようだ

「それはどうも、有難うございます」

「何をされてる方なんですか?」

あ、それじゃ後で名刺交換でも・・・ということになり、とりあえず筋トレに戻る

なんか温度の件はどうでも良くなったみたいだ

受付のお兄ちゃんが「Tさん『どんぎつねコン』って何なんですか?」と笑う

・・・確かに5月、その店で耳付けて余興したような記憶はある

しかし残念ながらあれは「どんぎつねコン」ではない

あれは俺の十八番「うさみみスパイぴょん」だ

6件のコメント

  • う・さ・み・み・ス・パ・イ・ぴょ・ん♡♡
    どんなにハードボイルドだろうが、任侠だろうが、うさみみつけた途端に可愛くなってしまう、うさみみ最強♪
  • 常にカバンに入れております(^_-)-☆
  • 上の男性は蒼さん?
    何でも受けたからええけど、狐とウサギ似てるかな?
    酔ってたから変な憶え方したんよね。
  • お恥ずかしながら私でございます(´皿`)
  • |д゚)!!大好物でござる!!
  • うさみみ?
    あ、スパイぴょん?笑

    ありがとうございますぅ~(^_-)-☆
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