伊草いずく様のエッセイ「無菌室四畳半、日当たり良好」にて、拙作「異界の花」の感想を書いていただきました。
▼作品リンク
「無菌室四畳半、日当たり良好」
https://kakuyomu.jp/works/16817330652957001952のんびりとした雰囲気、素朴な調子で、執筆まわりのことから伊草様の考え事までを綴ったエッセイです。
▼感想ページ
「間口を広げる(作品感想プロト編)」
https://kakuyomu.jp/works/16817330652957001952/episodes/16817330655582955827――――――
「精霊と異能者の娘の恋物語」と作品概要を要約し、異界の花でヒーロー役を務めるオクノスを「思考体系や存在のスケールが違いすぎる相手」として表してくださり、とても嬉しかったです。
自作の内容を他の方の感性、言葉で的確に表現していただけて幸福です。
私もエッセイを拝読しながら伊草様の感性の一端に触れたようで、なるほどこのような見方があるのか……と嬉しい驚きに満たされた次第です。
・伊草様が面白いと思ってくださったところ
「伊草的にすごいと思うのは二点」として触れてくださっているのは、ひとつに文章力。もうひとつは作品内に描かれる「隔たり」とのこと。
隔たりの埋まらないことを貫いて異界の花は終了しますが、それはルクスースが主人公だからこの落とし所に至ったこともあり、伊草様は「伊草的には何ルートかパターンを幻視するような描かれ方をしていて、かなり好みだったところ」と触れてくださっていて、嬉しかったです。
巫女が精霊を誘導し国を滅ぼす、逆に国王と結託して世界を狙いにいく、巫女が支配、権力、怒り、強い力を利用する大義や欲さえ得れば、感応力なりオクノスなりを誘導し、自在な展開が可能な舞台設定だと感じています。
しかし、「他の可能性もある中、オクノスとルクスースはこうなったのだ、と読める」と伊草様が表現してくださった通り、破壊や怒りのために力を活用するのでなく、ただオクノスと寄り添うことをのみルクスースは望んだんだろうな、と思っています。
静かで、ドラマ的に映えない地味な選択ながら、こういう愛情には輝くものがあって欲しい、そういうものをこそ表すには、小説という形態ほど適したものもないと。
エッセイ「無菌室四畳半、日当たり良好」にも、小説を書く伊草様の日常、穏やかさのなかで静かに瞬く煌めきを見る思いです。
こちらで「異界の花」を取り上げていただけて、とっても幸福でした。ありがとうございました。