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「氷上のシヴァ」1万PV突破とレビューの御礼

お久しぶりです。皆さまお元気ですか。
少し精神が浮上しつつある天上杏です。
この度、拙作「氷上のシヴァ」が1万PVを突破しました。
今年の4月に掲載を始め、半年でこんなにも沢山の方にお読みいただけるとは感無量です。
落選という烙印を背負った作品ですが、カクヨムで蘇らせていただいたような思いです。
本当に発表してよかったなと思います。
お読み下さった全ての方々に御礼を申し上げます。
ありがとうございました。

また、素晴らしいレビューをいただいた皆様には感謝をしてもしきれません。
是非個別に御礼を申し上げたいのですが、DM等の手段が無いため、この場を借りて…。

・中島リュウさん
忘れもしません。貴方から初めてのレビューをいただいた時の感動を。
この作品をネット上で連載していくことにまだ葛藤を抱いていた初期に、真心の込もったお言葉をいただけたことで、最後まで掲載するという決心が固まりました。
「氷上のシヴァ」がカクヨムにて最後まで完走できたのは、中島さんのおかげです。
本当にありがとうございました。
そして、改めて「Re:RE」の書籍化、おめでとうございます。
私も後に続けるように精進してまいります。


・鹿毛野ハレさん
文芸作品として一流、タイトルがかっこいい、部活青春モノの決定版…!
いやあ…改めて読み返しても、拙作にはもったいないほどのお言葉の数々。
いただいた言葉に恥じない作品を、これからも書き続けていきたいと思います。
本当にありがとうございました。


・三木満智子さん
主人公・刀麻は「普通の高校生なのか」「氷神なのか」という、この作品の核である謎にレビューで直接触れていただき、本当に嬉しかったです。
また、どのジャンルでもあり、ジャンルを超えた文学作品でもある、という私の目指すところを言語化していただき、身が引き締まる思いでした。
まさにそういうものを、これからも書いていきたいです。
本当にありがとうございました。


・秋山機竜さん
このレビューをいただいた時の衝撃は忘れがたいですね。
初めて「構造」に触れていただいたレビューです。作家は、構造を評価していただけることが一番嬉しいのです。
構造という視点から小説を読むことは非常に難しいです。能動的に作品に関わらないと読み取れないからです。
そのような読み方のできる秋山さんという読者・評者に恵まれたことを僥倖に思います。
ビジュアルノベル的手法を看破された時の「やられた」という衝撃、そして「よくぞ読み取って下さった!」という喜びは忘れません。
本当にありがとうございました。


・上ノ下皐月さん
まさか私の小説をスケート経験者の方に読んでいただける日が来ようとは…
そして、100%想像力という名のハッタリで乗り切ったスケート描写とスケーターの気持ちを「リアル」と評していただけるとは…
血反吐を吐くような思いで書いてよかった、と心から思いました。
書いていた当時の私にタイムスリップして教えてあげたいです。「お前の小説をスケーターが評価してくれる日が必ず来るよ」と。
本当にありがとうございました。


・尻鳥雅晶さん
レビューの明瞭簡潔さは勿論ですが、尻鳥さんのいっとう素晴らしいのは、創作秘話「Off-Ice of Siva」に寄せられた批評です。
少しでも「氷上のシヴァ」という作品に興味を持たれた方は、是非「Off-Ice of Siva」第5話、第6話に寄せられた考察をお読みいただけたらと思います。
実は、コメントでも触れたことなのですが、小説すばる新人賞の二次通過作品の一部には編集部による講評が付きます。しかし、シヴァはその選考から漏れました。
私が一年以上引き摺っていた悔しさは、尻鳥さんの厳しくも暖かい批評によって昇華されました。
本当にありがとうございました。


・郷倉四季さん
私が号泣したレビューです。
ここまで芝浦刀麻というキャラクターの成り立ち方、そしてその本質を的確に読み取っていただける日が来ようとは思いませんでした。
郷倉さんは刀麻を「他者を救済できる神様そのものが、もっとも救済を求めている」と評しています。
まさにその通りなのです。郷倉さんが引用している大澤真幸の言葉を借りるなら、刀麻は待たれている「ゴドー」なのです。
ゴドーは神であるゆえ、受動的な存在でしかありえません。祈られ、待たれ、定義されることで初めて存在が成り立ちます。ゆえに、刀麻の本質は「虚無」です。五章で、洵が覚えていないと刀麻が消えてしまうというのはそういうことです。
私はずっと刀麻を救いたいと思いながら、この小説を書いていました。その救済は、刀麻を信仰対象としての神ではなく、もう一人の自分として目を背け、嫌悪しながらも、最終的には「俺はここにいるぞ」という言葉で刀麻という「他者」に手を伸ばす洵によってしか成しえないことでした。
そういうことを、当時は言語化しきれないまま感覚で書いていたと思います。
郷倉さんが、刀麻と洵、そして「氷上のシヴァ」という作品に強固な輪郭を与えて下さったと思っています。
本当にありがとうございました。


・冬野未明さん
人の想いと願いを限界まで突き詰めていく物語。
大変嬉しい言葉です。なぜなら、刀麻はまさにそういうものを背負って氷上に立つからです。
刀麻は各章の語り手の想いと願いの、いわば「スクリーン」です。
そして、私が一番描きたかったものはおそらく、物語の幕が下りた後に読者の心のスクリーンに投影される刀麻です。読者の数だけ刀麻がいます。
(勿論、その結末では甘いため、落選に終わりましたが…。)
新しい結末を描ける日まで、精進してまいります。
本当にありがとうございました。


・アクリル板さん
邂逅せしは己が表情……第一章の時点で物語の一番の肝を見抜かれ、驚きました。非常に鋭い洞察です。
刀麻はスクリーンであるがゆえに、最終的に刀麻が映し出すものは、己の本来あるべき姿です。(第一章ではそのスクリーンが破られ、第五章では鏡に変わります。)
詩的で幻想的な表現に偏りがちなのは、私の弱点です。難解になってしまったのは、作者の私が内容を定義しきれないまま言葉として放出していたからだと思います。
次作ではよりストイックになれるよう頑張ります。
本当にありがとうございました。


・愛宕平九郎さん
フィギュアスケートの採点を文字った秀逸なレビューをありがとうございます!
そんな中、ハイライトとして、第四章のスピードスケートに触れていただけたのも本当に嬉しいです。
技術点、構成点、どちらも高得点…だといいなあ。理想は、どちらにも隙が無い、バランスの取れた書き手です。そうなれるよう頑張ります。
次回こそ、パーソナルベストを更新したい!
本当にありがとうございました。


・丹寧さん
丹寧さんのような非常に卓越した文章力(私は勝手に実はプロの方なのではないかとお見受けしております…)をお持ちの方に、ここまで文章を褒めていただけていいのでしょうか。勿体ないほどのお言葉です。
それでも、やはり感情描写を褒めていただけたのは嬉しいです。
この作品を書いていた時には、非常に細かく、各語り手の心の動きをシミュレート(エミュレート)していきました。
人間として少しでも無理があったり違和感があるような流れにならないよう、作者のエゴは極力排除しました。
それこそ手作業で水路を整えるような地道な作業でしたが、その積み重ねをこうして褒めていただけて報われる思いです。
本当にありがとうございました。



やあ、こうして見ると圧巻ですね。
自画自賛になってしまいますが、「氷上のシヴァ」は小説としてのクオリティ以上に、こうして読者の皆様から寄せられる感想のクオリティが非常に非常に高いのです。
こうして個別に挙げたレビューだけでなく、エピソードごとに付けられた他の方々のコメントにも、驚くほど鋭く秀逸なものがたくさんたくさんあります。
それをdigるのもまた、「氷上のシヴァ」という作品の醍醐味かもしれません。

このような素敵な機会に恵まれたこと、作家としてこの上ない幸せだと思っております。
改めて、本当にありがとうございました。

「氷上のシヴァ」には次作の構想がかなり明確にございます。
形になるにはまだまだ時間が掛かるかと思いますが、いつかお披露目できたらと思っております。
これからも、どうぞよろしくお願い致します。

3件のコメント

  • 天上様
    まずは1万PVおめでとうございますm(_ _)m
    そして少し持ち直された様子、そちらが何より安心しました。
    「何がリアルで何がフェイクか」を読ませて頂いても天上さんがどれだけ苦しみながら作品を世に送り出しているか、読み取れました。
    現在は小説すばる新人賞に向け、執筆中かと思います。
    そしてご自身を傷付けてでも作品を書抜くとの並々ならぬ覚悟が伺えました。
    天上さんの努力が報われる日が来る事を心の底から願います。
    本当に作家という生き物はきっと何処まで行っても飢え続ける生き物。
    それを天上さんの生き様から学びました。
    ご自愛下さいm(_ _)m
  • >上ノ下さん

    コメントをありがとうございます!
    すっかり返信が遅くなってしまい、申し訳ありません。
    相変わらず浮き沈みを繰り返してはおりますが、創作活動に対して前向きになりつつあります。
    ご心配をおかけし、本当にすみません。
    小説すばる新人賞、間に合うかどうか非常に瀬戸際なのですが、もし間に合わなかったら、他の賞も選択肢に入れるなど、柔軟な姿勢で書いていきたいと思います。
  • >中島さん

    ありがとうございます!
    返信が遅くなってしまい、大変申し訳ございません。

    1万PVと言うと聞こえはいいのですが、この作品130話以上あるので、細切れで稼いでる感は否めないという…
    しかも、実はおそらく通しで読んでくださった方は30人いるかどうかという現実…
    (第一章まで読んで帰ってしまう方が非常に多いのです。そこまで読んでいただけるだけでもありがたいことなのですが)
    ネットに掲載することで、そのたった30人に読んでもらうことがいかに難しいかということを痛感しました。
    故に、書籍化というハードルは非常に高いのだな、と。
    そこに手の届いた中島さんは本当にすごいです。偉人です。
    後に続けるよう頑張ります。
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