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こぼればなしまとめ(ネタバレ注意)

自分のtwitterとかでたまにぽこぽこ呟いてた作品のこぼればなしを加筆修正等した上でまとめています。
色々なネタバレが横行しているので気になる方はご注意下さい。



×××



【悪食男爵こぼればなし】

・最終回後、ヤズローの片目はレイユァが食べたわけではなく崩壊神の攻撃により吹っ飛んだ。ミロワールが作成した紫水晶の義眼を嵌めている。


・レイユァは勿論目玉を欲しがったけれど一つしかないのを食べてしまうのも勿体無いということでギリで許した。しかしヤズローが死んだ時優先的に残った目玉を渡すように約定を改めて結ばされた。魔の者と約束をすると碌なことにならないという好例。


・他にもレイユァはヤズローの二つある内臓系を一つずつぺろりと平らげている。足りなくなった部分はミロワールにより補えるので活動に支障はなく、寧ろ出力は上がっている。


・食べた分だけミロワールに奪われた感があるのはレイユァも気に食わないが、彼女もシャッス家との約定を先に破っているので我慢している。


・レイユァが元々結んでいたビザールのご先祖様との約定は、「シャッス家が存在する限り洞窟街の縄張りを広げてはならない・敵対しない限り人間を殺して食わない」。ご先祖様がレイユァを調伏した際、消滅するか約定を結ぶかを迫って了承させた。自分の命が続く限りではないところが巧者。


・崩壊神のドッスンバッタンでシャッス家が潰れた(物理)際、書庫の本もかなり被害を受けた。最終回後のビザールの仕事は、覚えている本の内容を諳んじてリュクレールに書き写してもらうこと。エピローグ2の時点でもともとの蔵書の半分ぐらいは取り戻している。


・ドリスは元気。魔女としての手管は健在だが寄る年波には勝てず足腰が弱くなったのでメイドは引退。魔女達が住まう東の森で隠居生活をしているが、月1ペースで男爵家へやってくる。相変わらず全方面に厳しいがラヴィリエにはかなり甘い。


・現在男爵家の使用人筆頭はヤズローで、その下にナーデルが就職した。呪殺師としての修行もちゃんとやり直して仕事に参加しているし、メイド業も段々板についてきた。


・ナーデルが兄の仇を討てたかは不明。しかし南方国の新しい冠は長男に渡されたらしい。国力は先代より若干落ちるが平和な治世だったようだ。


・リュクレールが貸してもらった神の紐は、役目を終えた後自力で黒き貴婦人のところに戻っている。自己意識は無いが主の命令に従って動くAIが搭載されている感じ。


・洞窟街は放棄された旧王都と共に暗黒街の気質が一層高まり、ラヴィリエが学生になった頃はほぼ地上と断絶している。蜘蛛と蜻蛉は元気、蛞蝓は物凄く元気、蟻と蛆は全滅している。


・父親から王位を受け取ったグラスフェル王太子は、共和制をいち早く打ち立てて政治形態を変えた後、さっくり引退して妻と共に打ち捨てられた旧王城の地下で幸せに暮らしている。




【漂泊の民こぼればなし】

・5話に出ていた薄澄鱗は両親共に亡くしている。蜥蜴人(=竜人)は卵を孕むと母体は個人差があっても必ず命を落とす。また、基本的に全ての理を戦いで決める者達なので、男性個体もよく死ぬ。


・そもそも命に対する哲学が神人(=所謂普通の人間)と異なり、生めよ増やせよではなく、ひとり生まれたらひとり死ぬのが正しいという考え方。個体数を増やすという概念が無い。


・赤紫鱗はその考えに異を唱えたかったが、納得いかない掟を変えるにはやはり戦って勝つか里を離れるかの二択なので、赤紫鱗は後者を取った。神人から見れば巨体だが、蜥蜴人の中では割ともやしっ子で、昔は術の研鑽もそこまで強くなかったため。


・ちなみに、里で女性個体が少なくなった場合は男性個体が女性個体に変化する。滅多に無いが戦で男性個体が減りすぎた時などは逆も起こる。


・モルニィヤの髪が長すぎる(足首まである)ので、スヴェンが軽い気持ちで「切るか」と言った時、モルニィヤ本人は気にしなかったが赤紫鱗からガチめに怒られた。
「己が身を態々削る意味が在りや」
「そんなに拙いもん……?」
「もるにゃ、べつにいいよ」
「ならぬ」


・巨人の体はこの世に生まれた時点で「完成」しているものであり、手ずから欠けさせるなど有得ないというのが赤紫鱗の主張。蜥蜴人も成長の仕方は似ているが、体毛という容量が大きくすぐ回復するものが無いので赤紫鱗的には「勿体無い」という感覚が一番近い。


・事実、モルニィヤの髪は切ってもすぐに伸びるし自分の体長以上には伸びない。今の体がそのまま大きくなっていくのが巨人の成長。成人すると平均5~6m、大きい個体は10mを超える場合もある。



【フェルニゲシュこぼればなし】

・フェルニゲシュ王家は実際に巨人の血を引いており、やはり髪の毛が伸びるスピードが早い。形骸化はしているが、生まれてから髪を切らず伸ばすことを決められていた。


・ヴァシーリーも律儀に伸ばしていたが、アグラーヤは子供の頃から伸びるたび自分で髪を短く切っていた。これが彼女の破天荒さからくるものなのか、己の血の縛りを疎ましく思っていたかは不明。そうかもしれないし、違うかもしれない。



【その他】

・ざっくりと年代順に並べると、

漂泊の民シリーズ(国家の境がまだ曖昧な時代)


フェルニゲシュ戦記(全大陸で現在まで続く国家が形作られる)


悪食男爵&三人娘シリーズ(大陸間で国交が開かれる)

間の矢印は100~500年ぐらいの隔たりがあるし、大陸もそれぞれ異なる。

2件のコメント

  • ああー!?ちょっ、いまこぼれ話の存在に気付いたんですが、世界が同じで!時間や場所は異なれど全部!つながってる!!
    フェルゲニシュの巨人の話で指が止まり、プルプルしながらスクロールして年代の件を2度見しました。読み返したくなるこぼれ話やばい。有難うございます。
  • 解りにくくてごめんね! マジで本編中で説明できなかったり必要なかったのをちょぼちょぼ書いてるだけなので…!
    漂泊の民の時点で人間たちにとって巨人はお伽噺レベルの知名度だったので、フェルニゲシュ戦記の時代ではもう完全に神話の世界の話になってますね。でかい建物がいっぱい残ってるから昔は巨人がいたんだろう、ぐらいの感じ。
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