【完全解説書】
ここでは『人喰姫-ヒグメ-』第一章 二鬼ノ人喰姫編で登場したキャラクターや設定などを徹底解説していきます。
※第一章(第十二話)までの内容が含まれますので、
未読の方はぜひ本編をご覧になってからお読み下さい。
【物語の構成】
第一章は思い付いた話や設定、キャラクターなんかをメモ帳に書き留めて、カクヨムで清書…的な流れで書いてました。
自分の興味が冷めない内に書き進めようと必死でした。
最初は刀と化け物の戦闘を描きたくて、何気なく妖怪を調べたところから始まりました。
これなら悪役のネタが尽きないから良いな、って感じです。
そこから派生して、人間の女の子に化ける魍魎・人喰姫が誕生しました。
【柳楽 十太郎-やぎら とうたろう】
物語の主人公
由来は柳生 三厳(やぎゅう みつよし)、又の名を十兵衛(じゅうべえ)と呼ぶ剣豪から名付けました。
親しみやすい名前がいいなと思ったので、十兵衛から『十』を取り、太郎と合わせて十太郎になりました。
苗字は柳生だとそのままなので、かっこよく柳楽にしました。
物語は割とシリアスな場面が多いので、十太郎は『楽』の部分も併せ持つキャラになって欲しいと言う意味も込めて名付けました。
【清姫-きよめ-】
十太郎の刀に封印された人喰姫。
初期設定では清姫が十太郎の体に憑依するだけ、と言うものでした。
ただ憑依して闘うだけじゃつまらないと思い、思い切って互いの心臓を喰らい合ってもらいました。
清姫は十太郎の内なる存在的なポジションで、十太郎の本音や人間の悪い部分を、清姫で表現出来れば良いなと思っております。
【天狐-てんこ-】
十太郎と清姫の前に現れた最初の魍魎。
タイトルが『人喰姫-ヒグメ-』であるので、序盤はちゃんと女の子の妖怪を登場させなければと思い、天狐が誕生しました。
自分の中で『妖怪』=『九尾の妖狐』だったので、九尾をモチーフにした強キャラを二話で登場させたら面白そう!と言う発想に至りました。
天狐はかなり気に入っていたので、ここで倒されては勿体ないと思い、十太郎に体ごと封印させました。
【牛鬼-ぎゅうき-】
牛鬼は作中初の女子に化けない魍魎です。
その容姿はいわゆる化け物です。
魍魎は人喰姫だけでは無いという事を示す為に、三体目で登場させました。
これにより、魍魎は女の子でなければならないと言う縛りが無くなり、色んな魍魎を登場させることが可能となりました。
(作者が百鬼もの女性を書き分けられないと言う事情もあります。)
【影女-かげおんな-】
前記でも述べましたが、そうは言ったものの、タイトルが『人喰姫-ヒグメ-』である以上、やはり人喰姫を登場させなければと言う思いもあり、なるべく女妖怪をモチーフにする様に心掛けています。
影女はそうして誕生しました。
影を操る能力は個人的に最強クラスだと思っていて、呆気なく倒されるのは勿体無いと思い、後に登場する外道と合体する事で生き永らえる…と言う方向になりました。
【外道-げどう-】
こいつは名の通り人から外れた存在です。
なのでどの魍魎よりも負の感情を抱き、存在そのものが悪の塊的な魍魎です。
外道と言うのは仏教用語であり妖怪では無い為、形の無い憑依する魍魎になりました。
最終的には影女に憑依し、己の中へと取り込みました。
この先、十太郎の宿敵となりそうですね。
【空亡-そらなき-】
百鬼ノ魍魎の頭にして悪の根源…それが空亡です。
冷静かつ整った容姿の悪役が好みなので、そのままボスキャラにしてみました。
見た目の若さは、清姫や天狐の少しお兄さんみたいなイメージです。
悪の根源ですから、そりゃまぁ…とにかく強いです。
【天下五剣-てんかごけん-】
刀の名称は、日本に実在する五振の刀からそのまま借りました。
刀に由来する人物もそのままです。
細かい設定はアレンジを加えておりますが、あくまで本家様を尊重した上で書かせて頂いております。
【童子切-どうじぎり-】
通り名 『鬼祓いの刀』
童子切は安綱と言う刀鍛冶が打った銘刀です。
鬼(童子)を実際に切ったとされる伝説が残っております。
作中ではその刀に清姫が封印され、焔ノ太刀として十太郎の主要刀として使用されます。
【鬼丸-おにまる-】
通り名 『鬼狩りの刀』
鬼丸は国綱と言う刀鍛冶が打った銘刀です。
こちらも鬼を切ったとされる伝説が残っております。
作中ではその刀に天狐が封印されています。
第一章では、天狐の妖力を吸い上げる為の繋ぎ役に使われる事が多かったですね。
【数珠丸-じゅずまる-】
通り名 『封印の刀』
数珠丸は恒次と言う刀鍛冶が打った銘刀です。
こちらは仏法と深い繋がりを持つ刀です。
邪悪なものを打ち破ってほしいとの願いから、柄の部分に数珠が巻かれていたことから付いた名前だそうです。
作中では封印した魍魎の質量による刀の重量変化を受ける事なく、切ったものを封印出来ると言う能力を持っています。
【荒魂-あらたま-】
「結局、荒魂とは何ぞや!?」と言う方も居るかと思いますので、ここで簡単に説明させて頂きます。
ずばり…『魍魎の肉体が消滅して残った魂』です。
魍魎は人間の負の感情から生まれる存在ですので、負の感情の根源である『魂』を軸に肉体が変化するのです。
なので刀に封印されている魍魎は、魂だけで無く、肉体ごと封印されている事になるので、刀の重量変化が起きてしまうという事です。
ただ魍魎次第では、刀の重量変化の影響を抑える事が出来ます。
荒魂は魍魎にとっては力の源ですので、作中では清姫自らが牛鬼の荒魂を喰べていましたね。
【国綱-くにつな-】
童子切の作者である安綱を父に持つ国綱は、
『THE・刀鍛冶』と言うイメージです。
刀への思いが誰よりも強く、自らの最高傑作である鬼丸を十太郎に譲る際にも、その様子が垣間見れたのではないでしょうか。
【安-あん-】
この子の名前は祖父である安綱から取りました。
後に明かされた刀の秘密と、安綱との繋がりを仄めかす伏線的な名前にしました。
【恒次-つねつぐ-】
恒次はスキンヘッドのお坊さんです。
仏教を唱えると言う設定ですので、限りなくお坊さんに近い容姿となりました。
封印術を得意とし、その力を自らが打った数珠丸に注ぎ込みました。
【妖気と妖力】
この二つの違いが分からないと言う方は多いのではないでしょうか。
未だに作者も分からなくなる時があります。
簡単に言うと…
『妖気』=体外 『妖力』=体内 となります。
いかがでしょうか。
未だにピンと来てない方の為に説明します。
妖気はその名の通り、妖怪の気配であり、体の外にゆらゆらと浮かび上がるオーラみたいなものです。
例えば…「近くに魍魎が居る!」とか「あいつの気配が消えた。」などは妖気に関するものです。
妖力はその名の通り、妖怪の力となります。
ここも難しいところではありますが、妖力は内側から込み上げる力であり、それが妖気となって現れる為、どちらの意味にもなり得る場合があります。
基本的には…「奴の妖力が増幅した。」とか「その程度の妖力では…」みたいな使い方がされます。
(なんとなく伝われば幸いです。)
【妖術-ようじゅつ-】
妖気と妖力の違いを踏まえた上で、お次は妖術についてです。
はっきり言いますと、『妖術』に『妖気』は関係ありません。
上記でも述べた通り、妖気は魍魎の気配を指すものですので、術の発動には関与しません。
妖術とは、妖力を様々な形態に変化させて放つ術です。
つまり妖力の高い魍魎は、数多くの妖術を扱う事が可能です。
清姫や天狐が良い例ですね。
十太郎は刀を通して清姫や天狐から妖力を吸い上げ、能力や技を身につけています。
【あとがき】
いかがだったでしょうか。
これらの徹底解説を踏まえて作品を読んでみると、より一層物語を楽しんで頂けるのではないかと思います。
応援して下さる皆様の為にも、面白い作品を届けられるように、これからも頑張って書き進めます。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
『人喰姫-ヒグメ-』第二章 山城国ノ月姫編
ぜひ楽しみにしていて下さい!