第19話 ルディラと手紙
https://kakuyomu.jp/works/16817330658739909192/episodes/16818093090707843805今日0時に投稿するため一日かけて仕上げた。別にクリスマスらしい話ではないのですが、この日に何か投稿しておきたかった。去年の今日は予定していた話が書けずエルロード聖国編のプロットを載せていました。今年も何か番外編でも書こうかと思ってその暇がなく(次章の簡易プロットを載せる案もあった)、結局普通に新話投稿するだけに終わった。でも、その分話自体はいつもより面白いものになったと思う。楽しんでもらえたら嬉しい。
実はこの話、初稿と後半丸々別の展開になった。具体的に言えば水姫リサが退学になる予定ではなかった。なのに何故退学にしたかといえば、4章の展開性を具体化する中でどうにもこのキャラは必要なさそうだと分かってきたからです。天之神社の話を書いていく中で試験編の展開が良い意味で随分とスケールアップし、その中にこのキャラを登場させる必要性が感じられなくなってしまった。ノイズになるまである。なので本編で描いたような処置に。とはいえ判断が早計な所はあり、クリスマスに合わせて無理やり投稿した感はありますが……まぁ何とかなるでしょう。4章の続きは絶賛構成中。次から本編にガッと食い込んでくる話になるから中々調整が終わらない。リサの処遇もその作業の中で変えることになりました。
ちなみにこの話、当初は学園内限定で展開する話で、ルディラの被害も体育倉庫で3人の生徒に乱暴されかけてそれを主人公が助けるという展開だった。それは流石にラグナロク学園の民度やセキュリティーが疑われので、今の展開に。スラム街で雇われチンピラ3人に襲わせ主人公が切れて返り討ちにし、拷問して情報を抜き出す案もあったが、書いてて自然と今の展開に。まぁ全体的にコメディ感のある話なので、多分その展開だと周りと浮いてしまう。展開が”融合”しない。はい、最近荒木飛呂彦の新漫画術を読みました。蛇足ですね。という訳で今話のパターンに収束する運びとなりました。以下没稿。分岐点以降の展開だけ載せてます。初稿ではこんな終わり方で最後のパートがなかった。
第19話 ルディラと手紙 ―リサ存命Ver―
「――失敗、しましたか」
夜。都会。貴族街の中でもサンダーハウス程ではないが段違いの巨大さと美しさを誇る水を活かした庭が美しい水姫家の邸宅【水麗城塞】の自室にて、水姫リサは舌打ちをして壁を見つめた。
「――ちっ。いい犬を飼ってますこと。さしずめ――マッド・ケルベロスということですか。忌々しい。……ルディラ・メルキュール」
壁。一面に、ルディラの写真。それらを忌々し気に睨みながら、両サイドの水色のドリルヘアーがボリューム満点な令嬢水姫リサは忌々し気に親指の爪を噛んだ。
「あなたは私が享受すべき栄光を奪った。私をモブに堕とした。同世代にあなたさえいなければ私は……私は……! もっとちやほやされていたはずなのに……!」
ベギン!
折れた爪を、水姫リサは回復魔法で癒した。