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私の書いた小説を初めて読んでくれたのは、兄でした。

 私と兄は、そこまで仲良くありません。

 嫌いとかではありません。シンプルに合わないのです。

 私は家で遊ぶのが好きでしたが、兄は外で走り回るのが好きな子供でした。

 さらに兄は勉強もできて、小学校と中学校で、生徒会長もしていた優秀な人です。
 それに引き換え、私の成績はお世辞にも良いとは言えず、下から数えた方が早い順位でした。

 なので、お互いの線が交わることが少なく、話すこともほとんどありませんでした。

 しかし、私が中学2年生で、初めて小説らしきものを書き上げた時に、勇気をだして「読んでくれ」と頼んだのは兄でした。

 一応、親しい友人もいました。
 でも、不思議と最初は兄に読んでもらいたかったのです。

 今思えば、憧れていた兄に褒めてもらいたかっただけなのでしょうけれど。

 兄は、黙って受け取ってくれました。

 当時の私は、きっとボロクソに言われるに違いないと思ってビビり倒していたのですが、読み終わった兄からの感想は「さすがだな」でした。

「ちょいちょい日本語が変なところはある。でも、お前の面白いところが出てたよ」

 泣くかと思いました。

 私が今、こうしてカクヨムで小説を発表できているのは、あの時に兄が褒めてくれた成功体験があるからなのかもしれません。

 ありがとう。兄さん。


 更新したので、宣伝させて下さい!
 ここにも、自分の小説を人に見せようとする者がいます。
 そいつの過去編です。
『ヒロイン全員を幸せにするラブコメ』
『朝倉もものひとりごと』
https://kakuyomu.jp/works/16818093089093786722/episodes/16818093090941262182

6件のコメント

  • クリスマスに素敵な思い出をありがとうございました
  • こちらこそ、いつもありがとうございます!
  • すごい。いいお話ですね。
    でも、私はそんな勇気はありません。
    私が小説を書いている事は、姉にも親にも話していません。
  • コメントありがとうございます!

    心のどこかで、兄だったら向き合ってくれると確信していたのかもしれませんね。^_^
  • クリスマスにふさわしくぬくもりを感じられる話で、僕の目頭が熱くなりました。
  • ありがとうございます!
    温かいコメントをもらえて、私も嬉しいです。
    正月に兄に会えるかもしれないので、ちょっと話してみようかなと思っています。
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