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『風は遠き地に』世界観

<大陸・エディラドハルド>
 大陸を分断するのは、 "竜の背"と呼ばれるドラガーナ山脈。平均標高2000〜3000mの大山脈。この山脈を境に、北部と南部では大きな気候や文化の差がある。
 主人公・啼義(ナギ)が育ったのは、北部の山の麓からほど近い羅沙(ラージャ )と呼ばれる地域。夏というほど暑い時期はあまり長くはなく、冬にはしばしば雪が降る。大陸の北端には、冬になると北海からの流氷も見られる。東の海の向こうからの文化が入り込み、オリエンタルな模様や文字などが入り混じっている。
 片や、山脈の南側は比較的温暖な気候で住みやすい。南下するほど暖かく、場所によっては冬でもほとんど雪は降らない。
 大陸の外海の何処かに、竜の住む島があるという言い伝えがあり、南部には実際に、“竜の加護”という、魔物の気を封じるとされる力を継承しているイリユスの神殿がある。だが現在、この継承者は20年近くに渡り不在。近年、魔物の出現が増加しているのは、このせいではないかと言われている。
 12ヶ月で季節が一巡する。季節の順は春→夏→秋→冬。

<竜の加護の伝説>
 遥か昔、竜の住処から黒い竜がやって来た。お腹を空かせていた竜は人を喰らい、その味を覚えてしまった為、多くの人間が襲われ、大陸が混乱に陥った。
 その時、黒い竜の所業を止めるべく、青い竜がやって来て、壮絶な戦いの後、黒い竜を葬り去った。黒い竜の身体はドラガーナ山脈の地底深くに封じられていると言われており、山脈に眠る"淵黒(えんこく)の竜"として語り継がれている。この"淵黒の竜"には、黄泉の国へ渡った魂を甦らせることが出来るという噂もあり、靂(レキ)が頭を務める"羅沙(ラージャ)の社(やしろ)"は、この力を利用しようと目論み、信仰している。
 一方の青い竜もやはり、"蒼空(そうくう)の竜"として語り継がれている。大陸南部にあるイリユスの神殿には代々、"竜の加護"という特殊な力を持つ者が受け継がれており、その始まりは、"蒼空の竜"が人を護ために授けた、"淵黒の竜"を封じ込め続けるためのものだとも言われている。魔術のように自然の地水火風雷の"気"を集めなくとも操れる力を持つ。また、継承者には、一定以上の肉体回復能力もあり、一般のヒトと比べて傷などの治りもいささか早い。
 "竜の加護"の継承者は、必ずしも血縁で続くわけではないが、ここしばらくは血縁関係が続いていた。時期が来ると"竜の啓示"で示されるそうだが、確かなことは神殿の一部の人間しか知らない。

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