• 現代ドラマ

冬ノ詩 1

冬が嫌いだ。
凍えて、肌は赤くなって、寒いを超えて痛む。

冬が嫌いだ。
隣で手を擦り、口を両手で覆って、真っ白な息を吐く君を見つめて、僕は黙る。

冬が嫌いだ。
そんな君に手を差し出して、掴んだ君の手をポケットに放り込む。
その様子をただ眺めているだけの、自分が大嫌いだ。

冬が、大嫌いだ。

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