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【読書リハビリ記録】短編ミステリ祭り

最近、ミステリ系の短編集をよく読みます。

米澤穂信『満願』
道尾秀介『鏡の花』
若竹七海『暗い越流』
米澤穂信『真実の10メートル手前』
連城三紀彦『顔のない肖像画』
七河迦南『アルバトロスは羽ばたかない』

『顔のない肖像画』以外は比較的新しい、国内ミステリですね。タイトルにピンときた方はお仲間だと思います。最近はめっきりついていけなくなりましたが、これでも10年来のミステリ読みなんですよ。いや、もうすぐ15年になるのかな。ちょっと指折り数えてみて驚愕してしまいますね。まだ、クイーンもカーも全然読んでないのに(笑)

一番おもしろかった、というか趣味に合ったのは『鏡の花』でしょうか。もはや、ミステリで驚ける体質でもないので、どうしてもドラマを求めてしまいます。両者のバランスが最も理想的なのがこの作品集でした。

『満願』は表題作がホワイダニットとして美しくて好きです。同著者の『真実の10メートル手前』は「ナイフを失われた思い出の中に」がベストでしょうか。伏線の張り方とエモーションの切実さが際立っていました。『顔のない肖像画』は毎度のことながら、よくもまあどんでん返しのアイディアだけで小説が書けるなあとあきれながらも感心してしまいました。ミステリを書いてる人は絶対に読んでほしい作家です。『暗い越流』は「狂酔」のプロットが素晴らしく、ともすれば陳腐になりがちなネタに重い実感を与えることに成功していたように思います。『アルバトロスは羽ばたかない』は連作としての趣向が前作以上にぶっ飛んでましたね。ミステリっていうのはつじつま合わせをいかに面白く見せるかに腐心する文学形式で、そうであればこそアクロバティックな発想が生まれるものなのですが、それにしたってよくこのアイディアを通したな、と。先人があえてしなかったことをそれでもやる。その蛮勇こそが偉大な作品の条件だと思います。

いやあ、ミステリって本当に素晴らしいもんですね~。次の企画は短編ミステリを募集してみようかな。プロットがしっかりしたものが読みたいですね。

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