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【ネト声:SS:Si:両親の願い】

サイド ショート ストーリー

時系列→本編第十話(夜)

登場人物
 二乃の母 此花|乃々華《ののか》(乃)
 二乃の父 此花|康二《こうじ》(康)

※セリフのみ
※本編と乃々華の口調が異なりますが、こちらが素。子どもの前だと繕ってしまうらしい。


康「なにかいいことでもあった?」

乃「……え、もしかして顔にでてた?」

康「うーん、どうだろう」

康「でも、僕には乃々がなんだか嬉しそうに見えたよ」

乃「康二くんには叶わないなあ……はい、おつまみ」

康「ありがとう」

康「……美味しい。何か隠し味でも入れた?」

乃「まあ、少しね。美味しかったならよかった」

康「うん、美味しいよ」

康「それで、何かあったの?」

乃「あ、うん。二乃の事なんだけどね」

乃「なんだか今日、一輝くんと良い感じだったの」

康「あ、来るって言ってたね」

康「ボランティアに行ってたから仕方ないかもだけど、挨拶しときたかったなあ」

乃「何か根性みたいなのを叩き直すの?」

康「いや、言葉道理だよ!?」

康「そんな「何処の馬の骨ともわからんやつが……!!」みたいなこともあるまいし」

乃「ふふ。でも、やってみたくはあるでしょ?」

康「………」

乃「否定しないんだ」

康「茶化さないでよ……」

乃「ふふ、ごめんなさい」

康「……それで、二乃と一輝くんが何かあったの?」

乃「えっとね。二乃、なんだか前よりも一輝くんに対して積極的だったの」

康「へえ?二乃が?」

乃「うん。クッキーを作ってあげてたり、体をくっつけてたり、あーんしたり……」

康「……なんか昔の乃々に似てるね」

乃「え、そう?」

康「うん。それで、一輝くんの方は?」

乃「うん、一輝くんの方も満更でも無さそうだった!」

乃「あれってもう付き合ってるのかな??」

康「うーん……確かに距離感は近いかもしれないけど、わからないな」

康「二乃に聴いてきたら?」

乃「それが、どうも私に一輝くんとのやり取りを邪推されたくないみたいで訊きにくいの」

康「あー……まあ、親だからねえ」

乃「結構はっきりと睨んできたの。なんだか昔よりとても素直になったな、と思った」

康「へえ、睨んできたんだ。昔はなんだか僕達に遠慮してたのに、二乃も変わったなあ」

乃「でも、それくらい生きる事を楽しんでいるのかも、と思うと嬉しくなったよ」

康「そうだね」

康「僕の薄い髪色とか瞳とかを遺伝しちゃって、その上声も出なくなっちゃって」

康「前は周りに馴染めなくて引っ込み思案にならないか心配だったけど……」

乃「無用みたい」

康「うん。一輝くんのおかげだ」

乃「うん。一輝くんには感謝してもしきれない」

康「図々しいかもしれないけど、これからも二乃と一緒にいて欲しいね」

乃「私も。一輝くんが「娘さんを僕に下さい!!」って言うのが楽しみ」

康「早まるなあ」

乃「でも、二乃のあの様子だったらそれも時間の問題だと思うんだ」

康「そこまでかい?それは楽しみだな」

乃「うん、楽しみ。……ちゃんと、二乃が幸せになっているみたいでよかった」

康「そうだね。二乃は……僕達の宝なのだから」

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