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【ファラオの寵妃】図8:2タイプのシストルム/図9:メニト(リンク)

『ファラオの寵妃』閑話2「シストルムとメニト」(第4話「神妻ネフェルウラー」の説明)のための図版近況ノートです。
図8はシストルムの比較図(添付画像)、図9はメニトですが、リンクのみです。

【シストルム】
シストルム(Wikipediaではシストラム)とは、振って音を出すラットル(打楽器)の一種です。

持ち手の上にあるU字型の枠に金属製の横棒が入っており、シストルムを振ると横棒がスライドして音が鳴ります。横棒にはリングや輪が付けられる事もあります。

儀式や祭など宗教的な場面でよく使われました。U字枠の部分がハトホル女神の顔が付いているナオス(聖堂)型の「セシェシェト型」(ナオス形シストルム)と簡素な形のU字枠を持つ「セケム型」(アーチ形シストルム)の2種類があります(図8)。

シストラム:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%A0


図8:ファイアンス製セシェシェト型/ナオス形シストルム(左)、ファイアンス製セケム型/アーチ形シストルム(中)、ブロンズ製セケム型/アーチ形シストルム(右)

出典:
図8左: 17.190.1959、メトロポリタン美術館、第26王朝時代ウアフイブラー治世(紀元前589~570年)、CC0; https://www.metmuseum.org/art/collection/search/549513

図8中: 17.190.1957、メトロポリタン美術館、プトレマイオス朝時代/紀元前300~100年)、CC0; https://www.metmuseum.org/art/collection/search/550893

図8右:EA36310、大英博物館、末期王朝時代(紀元前664~332年)、CC BY-NC-SA 4.0; https://www.britishmuseum.org/collection/object/Y_EA36310


【メニト】
メニト/メナトとは、ビーズを繋げたネックレスの束を細長い金属板でまとめた物です。ネックレスとして使われた他、ネックレスをまとめる金属板を握って振り鳴らす楽器としても使われましたが、宗教的コンテキスト以外では楽器としては使われませんでした。楽器として使われた場合、シストルムと共に使われる事が多かったようです。
Menat(英語): https://en.wikipedia.org/wiki/Menat

図9:メニト(11.215.450、メトロポリタン美術館)、CC0
年代:アメンヘテプ3世治世(紀元前1386年~1349年)
出土地:アメンヘテプ3世の王宮のあったルクソール西岸マルカタ。
図はこちら:https://www.metmuseum.org/art/collection/search/544509


閑話2「シストルムとメニト」に戻る:
https://kakuyomu.jp/works/16818093088194897522/episodes/16818093088862374427

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