先日完結した、昼メロなみ(以上?)にドロドロな『魂の片割れ同士は離れられない』は、現代日本を舞台にしています。応援、コメント、評価やレビュー、ありがとうございます。
https://kakuyomu.jp/works/822139844942562541
実は本作には、舞台を19世紀ヨーロッパに似た異世界にしたバージョン『魂の片割れ同士は禁断の恋に殉じる』もあり、アルファポリスで投稿しています。R18シーンを入れられるので、ヒーローと当て馬の変態ぶりを炸裂させられました。18歳以上で変態好きな方(いえ、変態に抵抗がない方)、今日が第19回恋愛小説大賞の読者投票最終日なので、よろしければ、清き1票をよろしくお願いします!
『魂の片割れ同士は禁断の恋に殉じる』
※投票期間が終わりましたので、リンクを消しました。ご興味のある方はアルファポリスで検索してみていただければ、幸いです。
ところで、本作には上流階級の男性のお手軽な恋の相手にされてしまうお針子が登場します。『魂の片割れ同士は離れられない』の空に当たるヒロインのイレーネもお針子です。本作の登場人物にはドイツ語の名前を使いましたが、このお針子のエピソードは、19世紀フランスのグリゼットと呼ばれた若いお針子をモデルにしています。
当時、グリゼットというと、ただのお針子ではなく、今で言えば、JKとかJDみたいな一種の偶像みたいなイメージがありました。それどころか、実際に上流階級の若い男性(学生が多い)の欲望の対象にされてしまっていました。
彼らに見合う身分の令嬢は、結婚前に間違いが起きないように彼らに出会うような機会は与えられていませんでした。ところが、グリゼットみたいな庶民の女性は、働かなくては生きていけないので、彼らに出会う機会がありました。しかも、彼女達は口減らしで両親の家からは出て独立しています。万一のことがあっても、身分が上の男性が責任をとる必要もありません。
相手の男性が恋人のグリゼットに何も言わずに卒業後に田舎へ帰って結婚してしまったりとか、よくあったようです。でも結ばれた例もかなり少ないですが、あったようです。ただ、その場合は男性側が元の身分には留まれず、苦しい生活になったようです。
……というようなことを以下の参考文献で知りました。
鹿島茂『職業別 パリ風俗』白水社、2012年
小倉孝誠「グリゼットの栄光と悲惨」藝文研究91(2006)、pp. 1-19.
https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00072643-00910003-0001
高岡尚子「ジョルジュ・サンド『アンドレ』・『オラース』に描かれる19世紀フランス女性労働者たちの空間」女性学研究(2009)16、pp.1-26.
https://omu.repo.nii.ac.jp/records/4905
dachon55「グリゼットとは何者か」(2020/11/22)
https://note.com/dachon55/n/nda77121a5aa6
上記の最初の本の類似本に『パリ職業づくし 中世~近代の庶民生活誌』もあるのですが、なぜかお針子は出て来ず、この点では参考になりませんでした。
F. クライン=ルブール (著), ポール ロレンツ (監修), 北澤 真木 (翻訳)『パリ職業づくし 中世~近代の庶民生活誌』(改訂新版)論創社、2015年
でもお針子の具体的な仕事の内容も知りたいんですよね。どうやって何年ぐらい修行したのかとか、顧客は工房に来たのかとか。
上記の3番目の高岡氏の論文に「「グリゼット」の生態については、村田京子『娼婦の肖像-ロマン主義的クルチザンヌの系譜j (新評論、2006年)第三部第一章の四「グリゼット(お針子)神話の虚実J (257-268) に詳しい」と書いてあるので、ぜひこの本も読みたいですが、入手しておらず、未読です。
ジョルジュ・サンドの『アンドレ』を読むと、グリゼットが顧客の家へ長期間行って仕立てるみたいな様子が描かれていました。
『アンドレ』には、日本語訳がないので、Calibreというフリーの電子書籍ソフトのEbook Translatorというプラグインで日本語に一括翻訳できました。Calibreには色々な電子書籍を追加してタグなどで管理できるだけでなく、このような一括翻訳プラグインや電子書籍の形式も変えられるプラグインなど便利なプラグインも提供されています。
Calibre
https://calibre-ebook.com/
『アンドレ』は著作権が切れていますので、一例を挙げると、Project Gutenbergで無料で様々な形式でダウンロードできます。私はepub形式でダウンロードし、Calibreに追加しました。
https://www.gutenberg.org/ebooks/13431
Calibreの上のタブの環境設定→高度な設定→プラグインで「Ebook Translator」を探してインストールします。上のタブにアイコンを入れるオプションを選ぶと、画像のように「Translate Book」というアイコンが出ます。翻訳したいタイトルを選択している状態でこのアイコンをクリックします。
元言語をフランス語、出力言語に日本語を選びます。Auto detectも選べますが、この場合では英語と認識してしまいましたので、元言語を指定したほうがよさそうです。出力形式は、epub、PDF、TXTなど色々選べますが、私はepubにしました。
翻訳するフレーズを選んで出力すると、別のエントリーとして翻訳版がCalibreに登録されます。翻訳版は、最初に原語、次に翻訳が載っていますので、意味が分からない時など、すぐに原語を確認できます。
章立てのローマ数字Iを「私」と訳したり(フランス語の1人称はjeなのに!)、名前の読み方にフランス語風と英語風の揺れがあったり(アンドレがアンドリューに! 某元王子じゃないぞ!)、翻訳は完全ではないですが、大体の意味が分かって助かりました。何より、辞書を引き引き読んだら一生かかっても読み終わらなかっただろうし、ポチポチコピペしてGoogle翻訳したとしても、読む気力がなくなっていたところでした。