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『悪食』こぼれ話

ほぼ2年ぶりの更新となりますね。
お世話になっております。榮織です。このたびはカクヨムコン8に『悪食-あくじき-』で勝負を挑んでおります。今のところ、ご好評をいただいておりまして嬉しく思っております。
未読の方もぜひぜひお読みくださいませ。


さて、この作品を書くにあたって、ちょっとした裏話などを。
少しばかりネタバレを含みますので、気になる方は本編をお読みいただいてからの方が良いかもしれません。












……よろしいですね?



『悪食』というギミックを思いついたのは、何年前だったか覚えておりませんが、ニュースで昔の事件の犯人が捕まったと聞いたのがきっかけでした。

「ああ、そういえばこんな事件あったな。結構騒がれてたけど、忘れていた」

と同時に、それより新しい、似たような事件のことを思い出したわけです。
この事件はひどい事件だったね、そういえばこんな事件も……と似たような事件の話をした時に、

「え、そんな事件ありましたっけ」

と返されました。念のためにウィキペディアで調べると、その事件はやっぱり起きており、自分の思い違いではなかったわけです。

「覚えている」「覚えていない」。このズレを小説に投影してみたら面白いな、という着想から『悪食』の骨子が出来上がっていきました。

美味いまずいを通り越して、何でも食らう。記憶も、記録も。
悪食、という単語が持っているイメージで間違えられやすそうな『悪を食う』という字面。
そんなものをコネコネして、出来上がった怪物が『悪食』の皆さんであったわけですね。

書いている間に、悪食は思った以上におぞましい怪異として、そして人間に寄り添う存在として描くことが出来ました。
この作品が、皆さんの心に少しでも刺さるものになりましたら何よりうれしく思います。

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