ちょっと涼しくなってきましたか?
みなさんお元気でしょうか帆多 丁です。
化け猫シリーズ第一作「化け猫ユエ」の第0話を削除しましたのでご連絡いたします。
プロローグ的なところですね
理由としましては、読み返したときに、そこだけモタって感じたこと、無くても話が成立すること、さっさと亜熱帯に行こうとおもったことの三つです。ご承知おきくださいませ。
読み口はだいぶ良くなったと思いますので、未読の方も既読の方も、よろしくお願いいたします。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054896395656削除した部分は以下
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ある晴れた日に湖に潜って、空を見たときの模様。
壁に映った緑の紋様はそれに似ていた。
翡翠でできた六角柱のランプに灯る火が、わずかな石の削り痕を抜けて、緑の水紋を揺らす。
閉じた石の中で、熱を持たず、永遠に燃える灯《ともし》火《び》。
霊銀《エーテル》で満ちた部屋の中、両手ですっぽりとランプを包む。
まだ誰もやったことのない冒険に十五歳の心臓が高鳴って、ランプを包む手に汗がにじむ。わざと落としたらどうなるのかな、なんて事まで考える。
霊銀が彼岸と此岸の境目を曖昧にして、灯火がランプから彷徨い出る。少女は自らの名を告げ、意識を開いて魔法のつながりを求める。そのつながりを火花のように辿って、灯火が身体に入ってくる。
そして、混濁する。痛む。体の中身が縦に引き裂かれるみたいに。
こんなはずじゃなかった。こんなはずじゃなかった。
痛い。息ができない。身体が内側から削られる。
助けて。おかあさん、おとうさん、助けて。ごめんなさい、もうこんなことしないから。ごめんなさい。ごめんなさい。
わたしが、喰われる。
焦点を失った視界に乳白色の鉤爪。