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結局は………【分かり易く思いやりのある批判編】

 カクヨムのサイト動向を見守ってきたが、此処に来てやはりというか、かなりの分量を投稿している作品が直面している問題が見えてきた。それは完結済みやかなりの文章量を先に投稿した作品が割を食ってる感がある、という事だ。そもそも最初の一週間は「スタートダッシュ」で読まれるものが仕分けされてしまうのを防ぐ目的でランキングをやっていないという話だが、カクヨム内の完結済作品や文章量の多い作品などを見てみてると作品が最後まで見られていないか、かなり途中でPVが低くなっている場合が多数散見される。

 その反面、数千文字くらいの作品が評価を受けていたりと現状を見るに先に全てを投稿し完結させた作者の作品や大量の文章量がある作品でマイナーなものや作者が無名であるものはそのまま埋もれる可能性がとても高い。結局は最初から一日ずつ投稿して連載していた方がある程度は読まれるという結果になっているのではないか? ピックアップ自体もある程度は機能しているかもしれないが、読者にピックアップ内のものを最後まで読むという傾向は見受けられない気がする。

 こうなるとランキングが出た途端にランキングしか見られない。スタートダッシュで躓くと閲覧数は絶望的、サイトそのものが文章量が多い完結作品を死蔵しておく場所みたいな扱いになる可能性が高いと踏むべき事態だ。まるで「何処かのサイトみたい」ではないかw こうなると先に投稿してしまった作品はコンテストで不利ではないかと思う。

 無論、読者が悪いわけではないのだが、読まれもせずに作品が埋もれていくのではサイトを使う意味が薄れるのは必定。一部の人気作のPV寡占化や一部の作者だけを読む共同体が出来上がった場合、結局はそれに合わせてサイトも変容していく。こうなれば、オープンアクセスであるサイトという牧草地から人も作品も離れていくかもしれない。これらは「コモンズの悲劇」そのものだろう。そこにある資源が作者と作品という、自然と集まってきている人々ならば、尚更だ。

 出版社にとって最初から売れそうな作者を青田買いするならば、それで構いはしないのだろうが、発掘する人材が細り、作品が細り、マンネリを打破する人材が消え、読者が「それだけを求めてから去っていく」ようになれば、サイトに投稿される作品は結局のところ「過度な味付け一辺倒の美味いもの」しか残らず、読者の読むものの幅、買う作品の幅、作品の幅も多様性を喪失するのではないかと思われる。それはつまり出版物にしても1サイトにしても致命的ではないか。この世に一種類の美味いものだけ食べて生きていける人間はいない。美味いものは美味いが、美味いだけでどれも同じなら、「何処のものを食べても同じ」という事だ。幾らマイナーチェンジを繰り返そうと客は移ろい易くなる。

 結論として早急に完結済みや文章量の多い先に大量の投稿をした作品がピックアップ以外でも日の目を見るようにする機能が必要だと愚考する。例えば、面白いが埋もれている作品を編集者が選んで紹介してみるとか……(んな事してる暇など無いのだろうけれど)。

 これも結局、誰にも読まれないんだろうな……。

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