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創作ツールは売れる(課金される)? (ラノゲツクールが抱えてそうな問題)

ラノゲツクール。

 お知らせで来ていたのですが【文章をゲームにしよう】的な事をカドカワは商売にしたいようなのですが……まず文章の中で一つ疑問に思ったのは(素材が有料)と書かれていた事です。無論、理屈は分かります。(無料で何でも出来ると思ったら大間違いというのが作品作ってる人々の間では普通の認識です) ですが、若者をターゲットにしている創作ツールに高課金させるような体勢になれば、若い作品制作者は基本的に微妙な顔をするでしょう。それに見合った量と質の素材があれば、いいのですが……これはまだ判然としません。

 また、ラノゲツクールのターゲットは作品の制作者や製作者気分を味わえる若い層なのは分かるのですが、ラノゲツクールのユーザーがどれくらいの規模になるのかが不透明な状態で需要も左程ないとなった場合、作者のモチベーションが維持されるくらいの評価がされるか未知数です。

 更に規模が大きくなれば、高課金して作ったけど誰にも見られていない、評価されない層が一定数出て来て不満から炎上するとほぼ予言出来ます。

 また、ラノゲツクールの画面を見て最初に思い浮かんだのはエロゲを一般化して作り易くしたツールというものでした。サウンドノベル自体が衰退中の今、エロゲのエロ無し三番煎じを見たい層は成人でどれだけいるのかがまず不安しかありません。若い層と言っても若者が減っている昨今、市場は減っていく一方。また、移ろい易い流行の中で埋没する可能性は大きいと個人的には思います。

 このラノゲツクールのような製作用ツールを他に思い浮かべましたが、昔からのが沢山あります。此処十年ならニコ動の動画素材やゆっくり実況ツール(こっちは動画ツールですが)が近いかなと個人的に思います。ですが、あちらは喋らせられるという点で差別化されており、上だと思えます(ただテキストを流すだけなら、動画編集ツールでも十分可能)BGM、立ち絵、素材諸々をカドカワがニコ動系以上に揃えるのは不可能でしょう。何故なら、あちらは無料で開放されている数多くの先人が遺した遺産があちこちに転がっています。

 ラノゲツクールがもしも高課金しても良いレベルで使われるとすれば、素材ニコ動系よりも揃えられる、課金は最低レベル、無課金でも十分な素材が得られる。そして、手間に見合った評価がある程度は得られるような閲覧ユーザー数(アプリダウンロード数)が確保されている。等々が最低ラインで揃っている必要があるように思われました。カドカワがこれを単純なツールとして売り出そうとしているのならば、そんなの無くても無料でそれ以上のものが造れるよ(作るの大変だけどね)と言われかねません。

 最高2000円出して見られるかも分からないゲーム創るという点ではユーザー数が心配であり、素人の創ったゲームをダウンロードする人がどれだけいるかという点で言えば……神のみぞ知る。

 今も熱狂的なファンに支えられた自作ゲームは数多く存在しますが、それらのユーザー数は決して多くありません。素材とツールだけ売るならまだしも、「簡単に作れるよ!!」と言う煽り文句は「厳しい現実……」に言及する事が無い分、結果が付かないのは自己責任と投げっぱなしにしないか不安しかありません。その結果、製作者の卵が開発を投げる可能性は大きいはずです。それらの人々はもしかしたら別の製作ツールや製作素材と出会っていれば、違う道があるかもしれないのですから……製作者ユーザーを大事にして欲しいものです。せめてアプリのダウンロード数や実質の閲覧ユーザー数の公表、製作用講座や製作の手引き、人気の素材(売り出したい素材ではなく)や人気の題材(売り出したい題材ではなく)の紹介。アプリの普及にも力を入れて欲しいものです。

 まぁ、カドカワがそこまでリソースを消費して結果が出ないかもしれないアプリを支援するとは思えませんが、製作者が作る作品で食べている以上は、そういう製作者に対する支援はある程度合理性や経済性を無視してでも育てる意味合いで未来への投資と割り切り、行って欲しいものです。

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