さらっと、表面をなでる程度の記述になってしまう……。
深く掘り下げるのが好きなんですよね。
本来ならイサ(桃太郎)と、ウラシマ(浦島太郎)の話を交互に描き、中途から温羅島(うらしま)と絡めていくストーリーなのです。
恋のお話は、イサと桃姫。
この二人は姉弟ですが、古事記の頃というのは、同母のきょうだいでは無い異母きょうだい同士の恋愛、結婚は認められていたそうです。
なので、史実的には二人ともヤマトノクニカヒメから生まれた実の同母姉弟ですが、巫女の君という側室を桃姫の実母ということにし、実母が追い出されたためにイサの母に引き取られ、双子として育てられることになった……という、設定にして、心の中では恋人として思い合っている……ということにしました。
クニカ姫は二人が16歳になったら本当のことを話し、妹背(夫婦)として添い遂げさせようとしていた。
クニカ姫、双子の妹ハエイロドはこの事実を知っていますが、大王はそれを知らない。
それで、イサを元服させ、自分のお気に入りの姫と結婚させて、東宮にしようとしていた。
ところが、それが気に入らないのが、現皇后のクワシヒメ。
クワシヒメは大臣の姫君。つまり、臣下の子。しかも、側室の子ども。
対して、クニカ姫、ハエイロドの姉妹は大王の血縁。
本当であれば大王の血縁者が母であるイサが大王を継ぐべきところ、クニカ姫たちが嫁いだときにはすでにクワシヒメの子ども(孝元)が東宮になっていて、イサ本人もクニカ姫もまったく異論無し。
そもそも、王族であっても王位にまったく興味を持たずに育ってきたクニカ姫と、王位は面倒というイサだから、王位継承レースには一切関わりたくない。
だけど、クワシヒメは「自分が欲しいものは他人も欲しいに違いない」と思い込むタイプの人間。
イサが東宮の地位を狙っていると思い込み、執拗にイサを嫌う。
そんな中で、イサの気持ちをよく知り、なおかつ自分の身体の弱さをよく知ってる東宮は、自分が思う大王に一番近いタイプのワカを自分の次の東宮に指名する。
指名してすぐに、東宮は自宅の庭で毒蛇に噛まれて死んでしまう。
タイミングがあまりにも良すぎた。
クワシヒメはイサがワカを早く大王にし、自分が摂政として権勢をふるいたいがために東宮を殺したのだと、執拗にイサを責める。
それで、イサは皇后の気持ちが収まるまで、ワカ、犬飼健(イヌ)、猿田彦(サル)、豊玉臣(キジ)を連れて西国に逃げることにするε=ε=ε=
さて、逃げたはいいものの、西国のどこを征伐に行こうか……と悩む中で、イサとワカはウラシマという男に出会う。
ウラシマは豊玉臣を見とがめて、「女がいる一行に船は貸せない。海神の怒りを買う」と言うが、イサはウラシマの持つ船を買い取り、勝手に出向させてしまう。
イサとワカはウラシマから海路では絶対に西の島に近寄ってはいけないと言われていたが、途中で、ウラシマの娘、「トヨ」を船の中から見つける。
トヨと豊玉臣、二人の女性が船にいて、ついに海神の怒りを買い、船は嵐に巻き込まれて転覆。
ウラシマが立ち寄るなと言っていた温羅の島に漂着してしまう。
4年経って、すっかり温羅の島と同化してしまった一行。
ワカは温に父親にはない父性を感じ、イサは羅に亡き兄に似た優しさを求める。
しかし、大王の容態が一変。危篤となる。
占いを経て一行の行方を特定した桃姫は(GPS機能搭載?)海流に負けない大きな船を造らせて、ウラシマを伴い、温羅の島に立ち入る。
しかし、温羅の島で、クワシヒメの密命を受けていた兵士たちが暴力の限りを尽くし、温の怒りが爆発。
ついにヤマトと温羅の島の対決となる。
ヤマトの王族として、どうしてもヤマトの側に付かなければ行けなくなったイサとワカは、戦闘の末、温と羅を殺害し、戦闘に勝利する。
だが、焼け野原になった温羅の島を見て深く反省。
まずはワカがヤマトを継いで、戦のない国を目指すと約束をするが、温羅の島には桃姫を残し、イヌ、サル、キジと協力し合って新しい国作りを始めることとする。
小さな小さな女王の国を、イサは「邪馬台国(やまとのくに)」と名付けた。
その後、ワカの命令に従って、イサは吉備地方を平定。
温羅の島を他国に攻め込まれない安全な国にしたあと、イサは桃姫を妻として温羅の島に迎えに行く。
晴れて、イサと桃姫は結婚。
ウラシマの娘、トヨが、邪馬台国の二代目の女王として君臨することになる……。
つーのが、元ストーリー。
3万字じゃ、たりなーーい!