紫鳥コウ

入院をした友人の代わりに、転校生の栗林芽依と文化祭で漫才を披露し、コンビ解散後はピン芸人の日本一を決める大会で勝ち上がるために、舞台に立ち続けていた四条優理は、無事に受験に合格し…

あなたに、届いてほしい。 【備考】 * 毎週、金曜日（18:00）と日曜日（12:00）に投稿いたします。 ** 2025年の12月は、日曜日（12:00）のみの投稿となりま…

山の上に建ち広く日本海を見渡すことのできる雪国の大学――琥珀紋学院大学の国際学部に所属する研究者たちの、愛おしい姿を描いた小説です。 ラブラブな夫婦生活を送る藤棚扇や躑躅柚子。…

同級生の黒川永遠子は、近寄りがたい感じがするけれど、ぼくを惹きつける魅力をそなえている。 黒い髪、黒い眼、黒い眉、紅い唇、血色の悪い肌、乏しい表情……見た目を列挙しても、彼女の特…

柚巴という魅力的な妻がいながらも、高校時代の元恋人である南空との不倫を止められない。かといって、南空の言葉に従って、柚巴に離婚を切り出すというのは、そう簡単にできるものではない。…

日本一の漫才師になったら実家に帰り、勝手にお笑い芸人になったことを謝りたい。くすぶっている芸人の舞子は、そんな夢を追いながら漫才をしているのだと、後輩の千鶴に言った。舞子と千鶴は…

失恋の傷はあまりに深すぎた。痛みに耐えられず、悲しみに暮れる日々を送っていた。 そんなとき、彼と出会った。彼の演奏のおかげで、前向きな気持ちになることができた。 そして、新しい恋…

ぼくの住む海沿いの町から引っ越してしまった波子。 あれから約８年を経て、民俗学を専攻しているぼくは、調査地にある親戚の家で、波子の夢を見る。それだけではなく――波子の姿を見かける…

わたしは、周の告白を受け入れて、確かに「彼女」になったはずである。 それなのに、自分のことを「彼女」だと思い込むことができていない。 葛藤する。周の「彼女」になりきるには、どうす…

本に傷や汚れがあるのを見つけると、食欲をなくしてしまうほど落ちこむ、潔癖症にできている良宗。 良宗の働くカードショップで、「国民的女優」と形容されている、店員たちの「高嶺の花」で…

丹生は、幼馴染の一樹と漫才コンビを組んだ。というより、組まされてしまった。 あるライブ終わり。丹生はふと思い出した。高校生のとき、霧島という同級生がいたことを。プロの作家になるに…

唯一無二の存在感を示すアイドル「タダハルノ・ユキドケ」。本名は「多田ハルノ」。その言動は常に賛否両論を巻き起こしている。 そんな「ハルノ」の幼馴染である「ぼく」は、売れないお笑い…

葉田洋はプロの作家を目指す素人の物書きであり、小説投稿サイトで何本も長篇小説を連載していた。しかし、家族の介護と自らの体調不良により連載を続けるのが難しくなった。そして洋は、苦渋…

楓子の恋する恵一は、戦地へと赴いてしまった。楓子はオトコたちを受け入れることで、孤独を慰める。ある日、楓子は夢を見た。それは、一国の「女王」になる夢だった。戦争が終わり島へ還った…

苦悩の「ほんの一部」を書きました。

この小説に書かれている出来事が、広く流通する小説に必要とされているテーマであることを、祈っています。

商業ビルの一画に、入れ替わり立ち代わりオープンする店をめぐる、人間ドラマです。

九月上旬。葉田洋は、地元の新聞社が主催する文学賞に応募するために、短篇小説の執筆に励んでいた。そして、自信作と言える一篇が完成する。 しかし、入賞者には十月中に通知するとのことだ…

ぼくを慕って大学院に入学した里沙。いつも付きまとってくる心許せる後輩だ。 だけど、ぼくは気付いてあげられなかった。里沙が打たれ弱い性格だということに。 突然、大学院を自主退学した…

僕はいままで、具体的な目標を持ったことがない。一方で、海村さんは、自分のしたいことを明確に持っているように見える。 しかし、思わぬことが起きる。海村さんに、卒業式の日に告白をされ…

野球部のマネージャーの柚葉は、勇気を振り絞って美術部の梨野に告白をした。 その告白は成功するが、野球部の前田によってふたりの仲は引き裂かれる。 そしてふたりは同窓会の日に再会した…

書店員の遙花さんに恋をした僕は、勇気を持って、彼女に「ある」依頼をした。 次の同人誌即売会で、売り子をしてほしいと。 それは、遠回しの告白だった。 遙花さんは、即売会の後、何も…

美術部の陽奈は絵の製作に、帰宅部の翔太は小説の執筆に、青春を注いでいた。 翔太は、自分の同人誌の表紙を陽奈に依頼する。しかし、表紙と本文の出来映えの違いは、翔太をがっかりさせた。…

カップ麺を食べながらお話をしたり。彼女のためにカップ麺を買って帰ったり。そんなお話です。

葉田洋は呟く――「寒い」と。孤独ゆえに「寒い」のだ。 ※作中に登場する人物は、それが「誰であるか」ということを特定できないように、可能な限り、実際のモデルから「パーソナリティ」…

もういい歳だというのに、だらしない生活を送っている。何人もの女性と関係を持ち、遠くにいる家族のことなど考えもしない。そしてクリスマスの日に、ふらりと立ち寄った書店で、ひとりの女性…

他者との関係に明確な線引きができずに悩む男性の、人生小史です。

趣味で小説を書いていた健太は、姉の死をきっかけに、プロの作家を目指すことにする。

親からの援助を背景に結婚をした大学院生の「日常生活」を描きました。

高校生の「僕」は、二人の女性を愛し、その二人を不幸に陥れてしまう。

ＳＮＳでの不用意な投稿により炎上し、インターネット上に小説を掲載できなくなってからも、同人誌を作り、同人誌即売会に出店していたのだが、周囲からの視線に萎縮してしまい、なんら楽しみ…

「僕」は父の葬式で彼女と出会い、彼女の家だというところへ行った。その経験が端緒となって、「僕」は苦しみを抱えながら生きていくことを強いられた。彼女との運命的な出会いを上書きするよ…

ふたりの密会は――彼に罪悪感を与えることはなかった。彼女の人生だけに、暗い影を落としていた。それでもふたりは、後ろめたい逢瀬を止める訳にはいかなかった。

社長令嬢の楓を連れて郷里の雪国へと帰ってきたが、予想していたより過酷な気候を前に楓は戸惑いを感じ、加えて「僕」の家族とも距離を縮められずにいた。そんな中、雪かきの疲労から炬燵で眠…

プロの作家を目指している物書きの葉田洋は、六月、Ｉ県で開催される同人誌即売会に参加するために、Ｍ市へと向かった。翌日のことを考えて緊張し、眠れなくなった洋は、ホテルの一室で、勝手…

安井は、無職であるのを言うことができずに、職に就いていると嘘をついていた。しかし、その嘘にリアリティを持たせることができていなかった。そして、親友の野茂のある言葉が、そんな安井を…

偶然目にした、ＳＮＳでの投稿。僕はカードゲームを引退し、その投稿者へ「貢ぐ」ことに決めた。

優芽との絶え間ない不倫は、反対に、妻の夏希に対する憧憬を彼に抱かせた。

言い合いはするけれど、激しい口喧嘩にはならない。そんな夫婦を描きました。

雪国――××県××市×村。そこで生きる人びとを素描しました。

あの夏の日に経験した年上の女性との戯れの記憶は、消え去ることなくしこりのように、僕に残り続けていく。

高校生のときの苦い記憶。南子は、その記憶を打ち消すような人生を送っていく。そして彼女は――恋に奔放な南子は、運命の人と呼べる男性に出会う。付き合いはじめた二人は、旅行先で、お互い…

「ひとり野球」を楽しんでいた小学生のときに体験した不思議な出来事です。 僕はある日、見たことのないお婆さんを「見て」しまいました。そのお婆さんは、居間でひとりで野球をしている僕に…

コンラッドの短篇集とポーの作品集を接吻させる彼女のことを、僕は愛することができなかった。その藝術的な接吻……そして、いつからか本棚の上に飾られていた、ミレーの『落穂拾い』をオマー…

「受験に合格したら、お付き合いしてください」 本屋さんのアルバイトのお姉さんに、そう告白した。だけどお姉さんには、すでに彼氏がいた。 無事に大学を卒業したあと、母の介護をしなが…

突然、納涼祭に行きたいと言い出した、おばあちゃん。しかし「わたし」は、おばあちゃんがお風呂を済ませるのを見届けなければならず、その帰りをいつまでも待つことになった。それなのに、中…

推薦で芸大に進学することが決まっている音無先輩は、学校の門限近くまで美術室で卒業制作に取り組んでいる。一方の僕は、先輩が教室に姿を見せるまで、勉強をしながら居残りをしている。 あ…

配信に夢中の彼女は、僕のことを必要としてくれていない。彼女が配信をしているときは、外に出るようにしている。 ある雨の日。書店に行こうと傘を持ってエレベーターに乗ると、押していない…

日の目を見ない芸人である自分を、見守り続けてくれていた母。 こんな自分とコンビを組んでくれた、相方である弥生（やよい）。 コンビ結成一年目からエントリーをしてきた漫才コンテスト…

毎日続けてきた「掌篇小説の投稿」も今日で終わりです。しかし新しい「開幕」でもあります。