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【参考写真】「とんリバ」両獣・悪喰

悪喰(あくじき)は筆者の作品で何度か使っている創作妖怪です。
巨大化したカスミサンショウウオの幼形成熟(ネオテニー)。
幼形成熟は成長の途中で身体が成熟する現象で、有名な例としてウーパールーパーがあります。
(本来上陸して鰓呼吸から肺呼吸になるのに、鰓が残ったまま一生水中で過ごす)

また、このカスミサンショウウオは筆者のペンネームの元ネタでもあります。
「椒央スミカさん」を並べ替えると「カスミサンショウウオ」、です。
わたしは名義やキャラ名をすごく適当につける傾向がありまして、WEB小説活動では好きな生き物から命名しました。

添付画像はけっこう前に飼育していた同種。
(現在は採取禁止な地域が多いです)
写っているのは「頭でっかち」と呼称される共食いの傾向が強い個体で、成長が早く、同じ卵塊から生まれたほかの個体より1.5倍くらい大きく、頭(口?)も一回り大きいのです。
この頭でっかち、完全な偶発ではなく、一定の振動を与え続けることで人為的に生じさせられることが研究でわかっています。
面白いですね。

……で。
この「頭でっかち」を、人為的にさらに巨大化させられたら……という発想が悪喰です。
工事現場や上水道で生じる微振動が影響し、さらに巨大化。
まあ、そう単純ではないでしょうが……。
オオサンショウウオのようなビッグサイズの例もありますし。
生命力が強力な生物なので、もしかするとのロマンもあります。
「不老不死の人魚の肉」はオオサンショウウオの肉という説もありまして(手が人間の赤ちゃんによく似ているので、人のような魚=人魚とされたとかされないとか)。

近年、カスミサンショウウオの生息域が減っています。
原因はイノシシによる湖沼の掘り返しです。
生息域の湖沼や浅い清流がぐっちゃぐっちゃにほじくり返され、消滅しています。
なぜイノシシが荒らしているのかというと、林業、登山道の利用者等々が減少したことで山に人けがなくなり、イノシシの活動範囲が広がっているのです。
そのへんを語りだすと長くなりますので、ここでは省略。

……で(また)。
イノシシの捕食者、イコール種の守護神が悪喰です。
種を繋ごうとする生存本能と、人為的な振動。
それらが重なって、イノシシへのカウンターが誕生。
創作だけれど、そこそこの理由づけがある。
そんな妖怪を考えてみました。

愛里(メグリ)は前作で蟲を、「許されざる命」と言っていました。
しかしもし悪喰が実在するならば、彼女は否定しないかもしれないですね。

当該作品「とんこつTRINITY REVERSE!! -令和日本戦姫爛華-」
https://kakuyomu.jp/works/16817330650860676446

当該作品「遊神来夏の怪異録 -私家版創作妖怪事典-」
https://kakuyomu.jp/works/16817330650638598419/episodes/16817330654862365866

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