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STRUCK OUT(あらすじ)

学生闘争で殉職した機動隊員の父を持つ天上(てんじょう)姉弟。機動隊員だった父の遺志を受け継ぎ、姉の祭子(マツリコ)は警視庁に入庁後、刑事課に配属される。弟の達樹(タツキ)も警察学校を卒業後、交番勤務の警官になった。だがある日、交番勤務中に弟の達樹が拳銃自殺をしてしまう。上司から知らせを受けた祭子だったが、なぜか弟の遺体とは対面できなかった母親。上司に抗議するも、突き返される。見かねた祭子が鑑識の関係者から遺体の写真を入手する。しかし、遺体の顔は弟の達樹ではなかった。そして、その遺体は速やかに火葬された。姉の祭子は職務濫用の疑いで例の写真を取り上げられ、警察手帳をも剝奪された。行政上は死亡扱いになった弟。しかし、納得のいかない姉。時同じくして、弟の死に疑問を抱いていた父の元部下であり、弟と同じ警視庁の野球チームに所属していた元チームメイトの古賀Pこと古賀公太郎(こが こうたろう)巡査長が祭子の前に現れる。現警官と元刑事が相棒となり、警察内外の二人が協力して、それぞれの独自調査に乗り出す。そんな中、そこに追い打ちをかけるようにして訃報が入る。それは遺体の顔写真を提供してくれたベテラン鑑識官が、表向きは自殺だが謎の死を遂げた。突然の訃報に衝撃が走る。それでも祭子は通夜に参列しようとするが、葬式関係者から門前払いされた。どうやら、天上祭子と名乗る人物が既に通夜へ出席していたらしい。しかも突然、参列時に喚き散らしてお通夜を妨害したため出禁になったそうだ。途方に暮れる祭子。それは自らに扮した何者かが、暗躍していることを示唆していた。通夜の帰り道、祭子の携帯に奇妙な内容の匿名メールが非通知で受信されていた。「mean by mer.(ダブルミーニングメール)」元携帯関係者である秋葉原の知人N.T.氏に分析してもらったところ、本当の送信元は警視庁メールフォームからの海外サーバー経由でハンドルネームはAJAだった。そんな中、阪和銀行なにわ筋支店で立てこもり事件が発生する。犯人は数字が書かれたゼッケンを人質に着させて、くじ引きで決まった数字の人質を射殺した後、人質解放に紛れて逃亡する。現場に落ちていた偽造パスポートや生き残った人質の証言(数字の読み方と犯人が外国語を喋っていた等)から犯人は外国人少年のNULL(ヌル)で単独犯だと断定した。警察庁は日を跨いでも直ぐに指名手配するが、その当日に指名手配犯の外国人少年NULLが大阪(西)にある元自国の駐日領事館へ亡命する。そしてNULL少年は日本政府側に司法取引を持ち掛けた。東西情勢に巻き込まれたくない日本政府は国家公安委員会の司法取引を暗黙の了解で黙認する。その取引とは東から西への亡命と引き換えに元警視庁刑事の天上祭子を暗殺することだった。のちに血のクリスマスと呼ばれる日独テロ事件の革命前夜祭。果たして血祭りに上げられるのはどちらか?そして弟の行方は…。

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