• 詩・童話・その他
  • エッセイ・ノンフィクション

#10

(ばか。)

大切な人がぱっといなくなってしまったこと、よるにはありません。
親から○○が亡くなった。という話は聞くけれど、
大抵よるはその人と関わったことがありません。
顔も、声も、何も知りません。

ですがたまによく想像します。

大切な人。その人が交通事故とか自殺とか、事件とか、病気とか
何かで亡くなった。その時、よるはどうするだろう。

涙が出るかな。
現実だと思えなくて、ただからから人間になるかな。
意外と普通に過ごしてしまったりするのだろうか。

実際のことなんてわからないし、一生分かりたくない。


でももしよるが誰かから大切な人だと思われていたとして、ある日死んじゃったとしたらその人には、ずっとよるのことを覚えていてほしいな。
別に泣かなくていいし、悲しまなくてもいい。
できるだけ笑っていてほしい。
たまにちょっと話しかけてほしい。
こんなことがあったんだよって。
心の片隅、なんてそんなにスペースとらなくていいから、小指の爪とか、ほくろとか、瞳とか。なんでもいいか。
ちょっとだけ憶えていてほしい。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する