私が好んで買うものにキャンディがある。
基本的に貧乏性なので、価格あたりの時間がなるべく長くなるものを選んだ結果、キャンディに行き着いた。
当然ながら内容量が多いものを選ぶ。100均で買う「くだものキャンディ」を筆頭に、1g換算が1.25円〜1.75円あたりになるように選ぶ。
謎に量の多いバタースカッチなど、意外とバリエーションが豊富だ。コンビニだとパインアメなんかが基準を満たす。
しかしその量換算の例外に該当するキャンディがある。
それが、大阪屋製菓様の「超すっぱいレモンキャンディ」だ。
ローソンストア100で取り揃えられており、55gと少々控えめ(とはいえ、標準的なキャンディが200円オーバーだと考えれば妥当だ)。
名前通りの強烈なレモン味が特徴で、口に含んだ直後から最後まで延々と酸味が押し寄せる。何粒か舐めると舌がイカれてくる。この容赦のなさがクセになる。
他の酸っぱい系のキャンディと違って、包装は普通のキャンディそのものであり、騙し討ちが出来るのも特徴だ。
しかし、真に惹かれているのは、そのパッケージにある。
なんとなくふわふわとしたフォントで書かれた「超すっぱいレモンキャンディ」。
「最後まで酸味たっぷり」と「すっぱいがクセになる」という絶妙な脱力加減の煽り文。
手書きっぽいスライスレモン何枚かに、酸味に咽び泣くレモンの顔。
最高だ。味があって、どことなくチープな雰囲気がたまらない。特にレモンの情けなさは私を魅了してやまない。人間が口をすぼめるのではダメなのだ。レモン当人がやるから良い。
きっと、舐めてかかった連中が何人も犠牲になったことだろう。その抜け目なさもステキだ。
パッケージが変わったら買わなくなるくらい調和している。
中身が良いのは当たり前としても、それに似合ったパッケージ(イメージ)が備わっているかというのが、人を惹きつけ、リピートさせる要素なのだろうなと思う。
本文やネタに自信があっても、その前のタイトルやタグやあらすじの時点から、既に戦いは始まっているのだと学ばされた。
どうすると「味のある」雰囲気になるだろうか。