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弐の幕プロット公開

 まあ伏線とかあってないようなエンタメ小説なので、公開しても問題ないという判断です。
 ミステリとかみたいな叙述トリックからむ作品だったら完全に自殺行為ですけどね、こういうの。



一場・二場:状況の説明/目的の設定
 一等級溟人・羅剛を撃破し影法師の一角を崩した暁人と焜はその功績を認められ、座卓から昇格式に招かれていた。
 その昇格式で晴れて二等級陰陽師となった彼らは六座の第六位・オシラ様の蛾王から晩餐会に招かれる。暁人たちは裏を感じつつも断れる気配でもなく、彼の送迎車に乗って料亭に向かう。
 料亭・雨露墨亭についた彼らは奥の座敷に通され、刺身やなんかの鮮魚料理を振る舞われる。そこで蛾王は座卓の裏事情を話し、彼らが現在開いた二位の座——臥龍の座席に誰を据えるかで揉めていると話した。
 暁人は蛾王の目の前で当主を降りる書類にサインをしているので、自分は部外者だと言うが、座卓内では臥龍家から分断された臥龍暁人個人を六座に加えるべきではないかという意見が出ていると言った。そしてその上で、今後六座からのアプローチもあるだろうと言う。その上で蛾王は「僕は君たちをスカウトしたい」と言うが、暁人と焜は揃って「「いいですよ。断る前提で話聞きます」」と言い放ち、笑いを生む。
「冗談はさておいて」と、冗談ではなさげに言った彼は暁人たちに依頼を出したいと真剣に語り始める。
 それは愛息子・白奈を護衛し、自由に街を見てまわらせてあげたい、というものだった。
 長い冬休み期間、することがなかった暁人たちは高額の報酬もあって、その依頼を受けることにするのだが……?

三場:一番低い障害/サブプロット
 蛾王の愛息子・白奈は女子と見紛うほどに可愛らしい少年だったが、とんでもないわがまま坊主だった。暁人たちは手を焼きながら面倒を見てやるが、おぼっちゃま育ちの彼は世間の金銭感覚がわからず、また世間常識もないため度々愉快な発言を繰り返す始末。
 将来子供ができたらこんなに大変なのかと思いながら、暁人は亡くなった両親と健一郎の苦労を思い知る。
 そんな中、彼らの元に大天狗を名乗る男が現れる。彼は自身を鞍馬黒継と名乗り、
「き、貴様、その方と姦通したのだな!?」
「何言ってんだてめえは」
「ほら、天狗だから男同士の世界があんのよ」
「僕、あいつ嫌い」
 というやりとりを経て戦闘になる。暁人は大天狗は伊達ではない妖力に押されながらも焜の助けでなんとか話を聞かせる段階に持っていく。
 あくまで護衛であること、性的な接触は一切ないこと(男色の趣味はないこと)を語って聞かせ、暁人は誤解を解く。
 黒継は白奈に「護衛なら私めにお任せになれいいものを」と恭しく言うが、白奈はすげなく「お前嫌いだもん」と言い切る。それを黒継は「素直になれないお年頃ですからね」ととてつもなくポジティブに受け取るのだった。

四場:サブプロット
 冒頭龍骸溟人の登場。禮子との勝負。
 白奈との日常。ラストにスイートピロートークのライブと、敵の暗躍を描く。

五場:二番目に高い障害
 白奈の護衛排除に呪術師が雇われる。襲われる暁人たち。呪術師たちは蛾聖家という聖蚕の家系の一つに雇われたことを暴露する。その間に白奈が蛾聖家に攫われ、暁人たちのもとに正式に「招待」の通知が届く。

六場:一番高い障害
 蛾聖家は暁人たちの買収を単刀直入に申し込む。三倍の報酬を払うから白奈護衛から手を引け、と。暁人たちは「「いいですよ。断る前提で話聞きます」」と言って、理由を聞く。
 聖蚕の家系としての地位を確立し、六座に近づくため。真面目な顔でそう語る蛾聖家当主・蛾聖晶(女)に対し、「白奈は道具じゃない。あいつだって一人の意志ある妖怪だ」と跳ね除け、「あいつはどこだ」と問いただす。
 晶からこれ以上は敵対行動とみなし、排除するぞと言われるが暁人たちは意に介さず、刀を抜く。
 現れた黒塚商会の呪術師——そして影法師九崩・熊切童子。暁人たちは勝負に挑む。
 激闘の末黒塚商会の呪術師を排除し、焜も熊切童子を倒す。しかし熊切童子はまたしても逃亡する。

七場:真のクライマックス
 追い詰められた晶は白奈を無理矢理にでも犯そうとするが、そこに黒継が飛び込んできて撃退。晶は咄嗟に脇差を黒継に向けるが、彼が六座であることに気付きハッとする。
「鞍馬家に刃向かう気か、下郎」と吐き捨て、晶を羽団扇で弾き飛ばす。
 そこに暁人たちがやってきて、黒継は白奈が泣きながら暁人に抱きつく様子を見て、「白奈様は任せる。裏の処理は僕に任せておくといい」と言い、部下を屋敷に回し諸々の作業を進めるのだった。
 数日後、一月二十日。冬休み最終日。暁人の家に蛾王家から迎えが来る。白奈はしきりに「また会える?」と聞いてきて、暁人は「生きてさえいれば何度でもな」と言い聞かせる。蛾王自ら迎えに上がり、「怪我の功名だが、蛾聖家の一見でうちの婚姻体制も見直される。聖蚕の家系の子を妾にせざるを得ないが、複婚は免れると思う」と告げる。
 暁人は「蛾聖家は影法師と繋がっていました。黒継が調査するみたいですが、情報共有してもらえると嬉しいです」と言う。蛾王は「むしろ私も同じ意見だ。仮にも六座の関係者にまで食い込んでいるとはね」と呟くのだった。
 そうして別れの時、白奈は車窓から顔を出し、見えなくなるまで手を振るのだった。

八場:すべての結末
 二十日夕刻、臥龍家に黒継がやってくる。彼は晶が陰陽規定に則り、禁錮五〇年の刑罰に処されることと、そして蛾聖家の事実上の解体を告げられたことを語る。その上で影法師とはあくまで個人的な繋がりだったこと、恐らくは黒塚商会を通じた接触だったことを説明する。つまり影法師は、黒塚商会と繋がっていることを意味していた——。
 一方で逃げ帰った熊切童子は更なる力を求め、龍骸細胞を求める。まだ安定化も進んでいない龍骸細胞γを取り込んだ彼女は、気を失い倒れるが——?
    続く。

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