John B. Rabitan

俺、山本太陽（ひろあき）と藤原菜穂は地方の同じ高校のクラスメートだった。 ちょうど二人だけが関東の大学に進学して約一年半。 そんなメルヘンの世界から迷い出てきたような菜穂は高校時…

女子学生の鈴木優美は沿岸道路を北に向かって愛車のカローラで一人旅。だが、道の駅で同席してきたバイクでやはり一人旅の男子学生が、目指す方角が同じだからいっしょに走ろうと提案。最初は…

木曜日の朝に国道沿いの砂浜で出会った颯太と凛、恋人同士となった二人は約一年後の水曜日の午後に……

バイクと音楽が趣味の大学生の翔は、七里ヶ浜のカフェでバイトしていた。 ある日、そこを訪れたSUP帰りの女子大生四人組。その中の一人に、なぜか目を奪われた翔だった。 だが、サーファ…

ほんの駆け足の旅行でしか京都を知らない人の京都に対するイメージは、日本に来たことがない外国人の日本に対するイメージと似ていると思う。 だが、日本がSAMURAI、SUSHI、GE…

転校してきたばかりの俺が転校先の高校で、引きずり込まれそうになった宗教の勧誘から助けてくれたのが「超古代文明研究会」。 だがその実態はアニメオタクの中二病の集まりだと噂されていた…

横田優美、高校2年生。陰キャのクラスメートからのスマホメッセに、いやな予感がして自転車飛ばしてたら大きな二つの光が…… 気が付いたら、異世界に転生してた。 でも、そこは私のイメー…

「福音書」を含め従来のイエス伝はごくわずかな幼少期と、ガリラヤ、そしてエルサレムで福音宣教に当たったわずか三年間の事績のみ伝えて「イエスの伝記」と称しています。 それでは簡潔す…

日中戦争の現場の状況を日本側と中国側のダブル主役で、双方の視点から描きます。 この物語はフィクションで登場人物やストーリーは架空のものですが、日中戦争の当事者の手記や記録を元に構…

昭和15年、長崎浦上に住む19歳の八重子は上海に住む姉の子を姉の元へ連れて行くため、周りの反対も押し切って単身上海に渡航。 その上海の教会で知り合ったのが、工部局に勤める木下信（…

詩人・中原中也は『山羊の歌』、『在りし日の歌』などの詩集を残したばかりでなく、「地上組織」や「試論」などの芸術論も数多く執筆している。 そこで、詩そのものよりもそれらの芸術論にス…

本稿は「小説」ではありません。 戊辰戦争の最後の箱館五稜郭に寄った榎本武揚らが蝦夷共和国の独立を宣言した……いかにも小説の題材としてはロマンがあるけれど、それは虚構。 その全貌を…

「私の意図するところは、異教の地を悉く福音化することである」（イエズス会創設者・イグナチオ・ロヨラ） キリストの福音宣教の使命に燃えて日本の土を踏んだイタリア人司祭ジョバンニ・…

この作品は古典『伊勢物語』の現代語訳ではありません。 歌物語である「古典『伊勢物語』」を離れ、史実を織り交ぜながら 歴史上の人物としての在原業平を描く作品です。 在原業平は『古今…

この作品は古典『源氏物語』の現代語訳ではありません。 むしろ徹底した古典『源氏』離れに特徴があります。 実際の平安王朝時代に光源氏が実在していたら……そんな設定のもとに書かれてい…

大学生セムの父が、突然自分に神示が下ったとか言いだした。そして、どんどん神懸かりになっていく父。しかも、その神示によると、「間もなく地球規模の大天変地異が起こり、へたをすると人類…

「間もなく背筋も凍るような恐怖が、この町に迫りつつある」…羊飼いの老人エイブは、天から来た人たちからそんなことを聞かされる。そのころ星の間では、魔の手が銀河の彼方から伸びてきて、…

時に西暦5世紀。 飛騨は「日玉の国」であり、超太古には世界の神都であったと語ってくれた爺は、死に際に幼いスクナにその名の由来を告げた。日玉の国の危機に現れて救ってくれる守り神、両…

崇神天皇の御世、出雲国造家の神宝引渡しを受けるため大倭（やまと）の朝廷から勅使として出雲に遣わされたタケモロスミは、出雲へ着くや否や謎の敵の襲来を受ける。 それを切り抜けて国造家…

３世紀の中ごろ、一度は日の巫女（ひのみこ）によって邪馬台（ヤマト）を追放され、魏の帯方郡（現・韓国）に渡ったスサの王ソミンは、再度渡来して上陸した地点で、夜中にすすり泣く老夫婦と…

江戸が東京に、慶応が明治に、そんな時勢はみちのくの漁村・宮古へも押し寄せてくる。 逆巻く時流の中で、恋しい男を待つ女が一人 薩長と戦うため、蝦夷地へ行った彼 そんなある日、一艘の…

伊東甲子太郎がいつかは言い出すであろうと思っていた新選組分派を言い出した。近藤と土方はいろいろと対策を練るが、常に後手後手に回ってしまう。伊東のほうも隊士のほとんどを引き抜こうと…

大垣在の百姓岩田弥市は武士になりたい一心で新選組に入隊、ところがそこでの過酷な隊務と訓練、そして何より人を殺すのが任務であることに耐えきれず、脱走を決意。だが、脱走は切腹という局…

小人の国、巨人の国、天空の城など不思議な国ばかり旅してきたガリヴァー氏。でも、彼の旅行遍歴で唯一の実在の国は日本なのです。時に1709年、『ガリヴァー旅行記』にもはっきりと年代が…

天下に号令すべく甲府を発して上洛の途に就いた武田信玄が、奥三河の長篠城に入った時に、現地の土豪の山家三方衆が徳川から武田へ寝返ってきた。その中の一人、作手城主の奥平監物定能を信玄…

平安末期、鳥羽院政の北面の武士の三人のエリート、伊勢平太・佐藤義清・遠藤持遠が目まぐるしい時代の変遷とともに別々の数奇な運命を手繰る。皆それぞれの秋を迎え、そして最後に佐藤義清と…

藤原恵美押勝（仲麻呂）の乱で生き残った押勝の三勇士は、やがて散りじりになって、目まぐるしく変わる時代の荒波の中で翻弄されていく。広名は残党狩りの国府の兵に捕らえられたが、逆に道鏡…

奈良時代の養老年間、秦大麻呂は上司にそそのかされて官の漆を盗み、逮捕される。その息子の17歳の秦嶋麻呂は父親が逮捕されたという報に接したあと、なぜか役所に呼び出された。聞くと父を…

小島美千子…高校三年生。生物部の部長の理系女子。趣味ていうか研究テーマはは蝶の幼虫の観察。そんな美千子が母親が学院長を務める着物学院のファッションショーに駆り出されて、十二単のモ…

隋の都の大興の市で、仕事もなく途方に暮れてたたずんでいた杜子春に、仙人のような謎の老人が声をかける。その謎の仙人が杜子春を送り込んだ世界、そこはモンスターが次々と襲い来る異世界だ…

一人のオタクが召喚された。 といっても異世界ではなく、自分が暮らしてた昭和の時代に呼び戻されたのだからタイムスリップでもなく、いわゆるタイムリープってやつ。大人の記憶を持ったまま…

後に歌人となる小野篁は若い頃、腹違いの実の妹の家庭教師を頼まれた。成人してから初対面の妹は超絶美女。やがて魅かれあう兄と妹、だけれどもそれは禁断の恋。ここから始まる｢小野の妹｣の…

鎌倉時代初期の謎の古典文学『松浦宮物語』に描かれている世界は、実際はこんな世界だったのでは？　 ……藤原京の時代、四十年ぶりの遣唐使の成員として唐に向かっていた十六歳の県犬養氏…