以前、作品の一つとして、冗談気分で小説の書き方みたいなものをアップしていたが、削除した。
上から目線で人にモノを教える、というのは楽しいことなのであるが、冷静に見ると恥ずかしいものでもある。2年放置してから再度それをちらっと読んで、自分で耐え難くなり、放置してあった書きかけ小説とともに全部消してやった。例の作品だってホントは消したいんだけど。
しかし人にモノを教えたい欲求というのはなかなか消えないもので、別でやっているnote記事などで、今でも偉そうに書き散らかしていたりするのだけど、どうせまたしばらく経ってから消せばいいだけの話なので、これは性分なのだからと諦めてる。
さて、作品の一つとして大々的に紹介するつもりはないが、意見としてならいいかなと、多くの小説について思うことがある。
・キャラクターが良くわからない。
アマチュア作品でもそうだし、プロフェッショナルでもそうなのだけど、僕は頭が悪いので、読んでいて誰が誰だかわからなくなることがしょっちゅうある。名前も性別も年齢も特徴も、色々と違うはずなのに区別がつかなくなるのだ。
その大きな理由が、おそらくは、多くの書き手は真面目なのだな、ということだ。例えば、いわゆる一人称形式で書く場合によくあるのだけど、メッチャクチャ主人公が真面目で、細大漏らさずに物語を説明してくれる。非常に有能な解説者だ。
でも私は不真面目なので、そんな物語をクソ丁寧に一人称で頭の中で解説するわきゃねーだろ、と、適当に手を抜いてしまう。いちいち説明するのがめんどくさくて、そりゃたまには情景描写もするけど、例えば「彼女の部屋に入ると、高価な花のような、少しきつめの香料が鼻を突いた。そして部屋に入ると、薄めのピンク色のカーペットが敷いてあり、壁には……」
などと、あまりに細かな描写はしない。めんどくさいから 笑。
書き手はおそらく、そうした描写をして、キャラクターの性格や世界観などを説明していこうとするのだろけど、肝心のキャラがその描写に埋もれてしまっているような気がするのだ。
僕のやり方はそうじゃなくて、キャラに書き手の自分がなりきる。そうすると、キャラ設定とかを考える必要すらなくなる。前に書籍を出した時に担当の編集者に「キャラクター設計書を書いて下さい」と頼まれたので、気弱な僕は適当に捏造したのだけれども、小説上では全然それを省みることはなかった。だって自分でキャラを演じちゃってるから、そんなのいらないもん 笑
まぁ、他人が僕の小説を読んだらわかりにくいかもしれないけど、そうやってキャラを明確に書き分けるようにしている。ボケが好きなやつはボケるだろうし、真面目は真面目、気弱は気弱、学生なら学生気分だろうし、それらを自分でやってしまう。設計なんか事前にしないので、書いてるうちに勝手にキャラが出来がってゆく。そんな感じで書いてます。
多分、小学生の頃に読んだ、手塚治虫の漫画の描き方入門の影響だと思う。漫画だから、最初にキャラ設定をしなければならないのは当然なのだけど、キャラが決まったら物語は勝手に動く、みたいなことが書いてあった。
というわけで、小説家の皆様、もうちょいわかりやすくキャラを書き分けてほしいです。私ほんとに頭が悪くて、誰が誰だかすぐわからなくなるんです。マジな話。