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【完結しました】『僕の忘れられないお客さん ~母と娘~』

 2022年9月2日より連載を開始いたしました『僕の忘れられないお客さん ~母と娘~』が、本日完結いたしました。

『僕の忘れられないお客さん ~母と娘~』
 https://kakuyomu.jp/works/16817139557981030057

 内容を簡単に説明すると、銀行員の「僕」が仕事で関わったときに出会った、忘れられない親子の話です。
「忘れられない」と言うからには素敵なお話をご想像するかもしれませんが、全然素敵な話じゃありません。憂鬱で暗く、正直救いようのない話です。喧嘩とかがあるわけではありませんし、怪我するわけでもないのですが、最後は多くの方がモヤモヤとしてしまう内容かと思います。

 下記は、一応『僕の忘れられないお客さん ~母と娘~』を読んだ方向けに、書いているときに考えていたことを、さら~っと書いています。散文ですし、長文ですし、読んでいない方はちょっと、「?」となるところもあるかもしれませんが、大枠は掴めるかと思うので、もし興味があれば下記もついでに程度にお読みいただけたら幸いです。


 さて。
 イメージカラーが「黒」というのは、今まで書いた作品で初めてです。毎日、「わー、黒いー、暗い……」(黒に罪はありません)と思いながら、自分のページを眺めていました(´・ω・)

「黒」にしたのは、『僕の忘れられないお客さん ~母と娘~』
が救いようのない話だったからです。
 私は今回「母に縛られる娘」をテーマに書いていますが、「親に子が縛られる」とか、「親の考えを押し付けられる」が入ってくる作品はちらほらと見かけます。

 私が知っている作品で、ぱっと思いつくのは眉月じゅん氏の『九龍ジェネリックロマンス』(「九龍」は「クーロン」と読みます)と宮部みゆき氏の『ブレイブ・ストーリー』でしょうか。

『九龍ジェネリックロマンス』は週刊ヤングジャンプで現在も連載中の漫画です。
 今回注目すべき作中の人物は、「楊明《ようめい》」という女性。『九龍ジェネリックロマンス』の主人公(鯨井)と友人関係にある彼女は、とても明るくて可愛らしく、元気の出るようなことも言ってくれます。

 しかし、彼女には上書きしたい過去(というより「過去からの脱皮」ですかね)がありました。
 それが母親との関係です。楊明は昔、全ての選択を母親に委ねられていたことがあります。しかも顔立ちも美しい母親そっくり。

 そのせいなのか、それとも母は娘に若かりし頃の自分を投影しているのか、自分と同じように美しく成長して欲しいという願いからなのか、どんどん母好みの子にしていきます。周囲もそれを持てはやしますし、それが悪いと思っていません。

 それもそのはずです。楊明は母親から虐待をしているわけでもありませんし、意地悪しているわけではないのですから。
 そのあとの楊明がどうなったのか。気になる方は、是非読んでみてください(コミックだと5巻です)。作品の本筋ではありませんが(関係はあります)、人によっては印象に残る話だと思います。


『ブレイブ・ストーリー』にも、似たようなシーンがあります。

 主人公は亘という少年。彼の友達は「カッちゃん」というのですが、亘の母は「カッちゃん」と自分の息子が仲良くしているのが気に入らないのです。何故なら、彼の家が水商売をしているお店だから。(実際は、普通の居酒屋だったと思います)

 亘がこの点で勇気があるのは、母親にそう言われても、自分で見たカッちゃんや彼の両親の姿を信じているところです。

 亘の母親は悪気があって言っているわけじゃありません。息子にそういう風になって欲しくないし、何か事件などに巻き込まれないようにしてほしいから、そういう言葉を使って牽制しているのだと、私は解釈しています。

 しかし、亘にとってカッちゃんは友達。板挟みになって辛いですね。

 子どもは親の「これはいい」「あれはダメ」という判断によって動かされているところはあります。それも当然でしょう。育てる親から影響受けることが当然なのですから、「いい」「悪い」の判断もその家族用のルールに当てはまることは致し方ありません。

 ある程度ならそれでもいいですが、度が過ぎると子どもを縛ることになります。『僕の忘れられないお客さん ~母と娘~』に登場する、母と娘のように……。

 私は多分、『僕の忘れられないお客さん ~母と娘~』に出てくる「僕」と同じように、母に縛られた娘さんを見ても、何も言えないと思います。何も出来ない。

 助けてあげられませんし、娘を縛っているだろうお母様に「あんた、何やってんですか!」なんて絶対に言えません。何故なら、そこには解くことが難しい壁というか、越えるのが難解な壁があるのが分かっていますし、勇気も度胸もないので無理……。無理なんですけど、この作品を書いたのは、「心配している人はいます」というメッセージを送りたかったんです。

 それと、そういう家庭環境に置かれている子もいるのだということを、少しでも多くの人に気づいてもらえたら、何かしらの助けになるんじゃないかと思って書きました。(何もできないくせに、おこがましいって言われそうですね(;´∀`))

 もちろん、世の中詐欺とか人を騙そうとする人もいるので、全て自分で決めるのがいいことではないのですが、せめて「これ好きだな」「これいいな」と思うことくらいは自由にあって欲しいなと思うのです。難しいけれど、ここまで書いたことを色々考えながらこの作品は書きました。

 全然まとまりのない文章になってしまいましたね。すみません。

 そして、連載当初から完結まで読んでくださった皆様、フォローして下さった皆様、本当にありがとうございました。応援、コメント、評価とても励みになりました。
 
 まだ読んでいらっしゃらない方は『僕の忘れられないお客さん ~母と娘~』、良かったら読んで下さると嬉しいです(でも、無理はしないでください〈汗〉)。

1件のコメント

  • 「いいね!」して下さった皆様、ありがとうございます!
     (ノД`)・゜・。
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