龍田乃々介

居酒屋で二人飲みをしていると、後輩の元へ友人からの電話があった。後輩は電話の発信元を見ると悪態をつき、電話を切った。 それは、おかしくなってしまって縁を切りたい友人からのものだと…

言いたいことなんてない。誰かに嫌われないようみんなに合わせて、溺れながら流されている。そんな流され女子の大上芽衣。 言いたいことはたくさんある。誰かと一緒の毎日をずっと夢見ている…

高校二年、春。平凡な少年に奇妙な女の子の友達ができた。 彼女の名前は物部奏。わざわざ「友達になりませんか」なんて言ってくる、少し変わった子。 少年は物部さんに誘われ、彼女の家で定…

ファンタジー異世界で起こる怖い話の短編集。思いつき次第更新。

カクヨム自主企画の怖そうで怖くない～に応募するつもりがあちらは「体験談」の募集だったので、記載されていた例から着想を得た話を作りました。 鍵をかけ忘れた家に帰って、家の中を探し…

苫山高校女子ソフトテニス部期待の新星、天才の弥生。彼女とペアを組んでいる吾妻は、準々決勝の相手となるだろう選手たちを見に来ていた。 飛燕のようなカットサーブを打つ小柄な後衛、牧柴…

あるおじいさんが死に、その親族が葬儀場へ集められた。 彼らは葬儀社の男に案内され納棺の儀に向かうが、安置室を通り過ぎる男の後ろ姿をみな不思議そうに見る。 ある者が尋ねた。「安置室…

昔あるところに、出てったきりの夫の帰りを待つ女がいた。女は待つうちに狂ってしまい、「湖の神の託宣」を聞いて、凍てつく湖で水垢離をするようになった。するとその三年後男が帰ってきて、…

幼い頃、僕が眠れない夜。屋根裏部屋に棲む語り手が怖い話を聞かせてくれた。 幽霊の話、呪いの話、物の怪の話、怪異の話、……神の話。 ここに綴られるのは、そうして育てられた僕が、子供…

「わたし、メリー。今あなたの後ろにいるの」 深夜、オフィスで残業をしていた男の後ろに少女の怪異が現れる。 しかし彼女はその逸話とは反対に、電話の度に離れていく。 「お前、どこに向…

入学式の日。早乙女琴音は腰まである長く艶やかな髪の綺麗な美少女と出会った。 彼女の名は花山院真姫。 そのあまりの美しさ、あまりのかわいさ、あまりの艶やかさは、次第に琴音を変質させ…