前回の少年ヴィシュヌに続き、少年シャクラ(帝釈天)の姿を描いてみました。
絶大な力を持って生まれた帝釈天ことシャクラ、その母親は周囲の目をのがれるようにして早くに我が子を見捨ててしまいます。よって父親に育てられるシャクラでしたが、父からはもとより敵意を向けられており、最終的にはシャクラみずから正当防衛をもって父をあやめてしまうのでした。
天涯孤独となったシャクラは、親友ヴィシュヌと出会うまで放浪を続けます。そして最後には、ヴリトラ退治の英雄となり、神々の帝王インドラへと成長していくのです。
これが、実際の神話(ヴェーダ)で述べられる帝釈天の青春です。
ところで私も『毗戦』が完結し次第(果たして終わりがくるのか笑)、帝釈天の生涯をネタにして小説にしたいと思っています。
が、上記のエピソードをまんま採用してもちょっと不憫性が足りない(やめたれ)ので、両親を失ってさすらう軸以外は大きく設定を変えようと練っているところです。
少年時代の帝釈天は、ヴィシュヌみたくニカニカとは笑いません。彼は、とてもつらく悲しい過去を背負っているのです。
その過去を乗り越えさせて、強くたくましくエッチたらしい色男に育て上げるのが、我々作家の使命であると確信しております。