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自費出版裏話④〜校正〜

 自費出版裏話第4弾。今回は校正作業についてご紹介します。

 著者が清書した原稿を送ると、まず編集者が原稿をチェックします。その後、誤字脱字や疑問点等を赤字で付記した原稿が郵送されてきます。この校正した原稿をゲラと呼び、その内容を著者がチェックするのが大きな作業です(ゲラをチェックするなんてちょっとプロっぽいですね)。商業出版であれば2、3回校正がありますが、文芸社の場合は1回だけです。今回著者が確認した内容がそのまま本になるので、校正にも気合いが入ります。
 私が原稿を送ったのが去年の年末で、その後は編集者が校正を終えるのを待っていました。しかし、後2、3か月経っても特に動きがなかったため、しばらくは出版をする実感が得られませんでした。
 校正完了の連絡を受けたのが3月下旬のことで、送付を受けたのは3月末でした。私の作品は長編である分、編集作業にも時間がかかったようです。
 郵送されたゲラは電話帳くらいの分厚さがあり、我ながらよくこんな長い作品を書いたなぁ……と感じ入りました。著者校正にも〆切があり、期日は約3週間後でした。思った以上に時間がありません。でもやるからには手を抜きたくないので、その間の休日はずっとゲラをチェックしていました。見ても見ても終わらず、自分も編集者になった気分でした。
 校正をして思ったのは、注意深く見ているつもりでも見落としがあるということです。清書を送付する前にもしつこいくらい見直したはずなのに、やっぱり誤字や脱字があります。また、時系列の誤りや設定の矛盾などもありました。いずれも自分1人では気づけなかった点であり、編集者は丁寧に原稿を読んでいるんだなということが実感できました。
 他にわかったのは、一部の漢字表記が常用とは異なることです。例えば、「掴む」は「摑む」、「擦る」は「摺る」と書きます。市販の本を読んでみると確かにその通りの表記になっており、独自のルールがあるんだと思って勉強になりました。
 ゲラをチェックしたら原稿を送り返し、編集者が再度確認します。1回目の校正で見落とした内容については後日メールで照会がありました。同じ原稿を何度もチェックするのは本当に大変だと思いますが、素人に過ぎない自分の作品を丁寧に見てもらえることは有り難くもあります。
 校正を終えたら著者の大きな仕事はおしまいです。全てのゲラをチェックし終えたときには達成感があり、自作が本当に出版されるのだと感慨深い気持ちになりました。実際に作業を行ったことで出版が形を伴ってきましたね。

 今回はここまで、次回は表紙イラストの作成についてご紹介します!

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