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「招かれざる獣たち」閑話S1 まねけもシンデレラ

 思い付きで書いた、お遊び閑話です。
 キャラの外見や関係性はクーが仲間になった頃のイメージです。

 もしも「まねけも」メンバーでシンデレラをやったら?

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 物語の舞台はとある王国のとある貴族の家。その家には3人の姉妹がおりました。
 上の二人は後妻の娘。二人は前妻の娘である、末の妹アリアに事あるごとに厳しく――

ヴィー子(長女)「アリアは今日も可愛いよなあ(デレデレ)」

 えっと…… 厳しく?

セリ美「なんで私がこんな女性物のドレスを着ないといけないんだ」
ヴィー子「お前は似合うからいいじゃねぇか」
セリ美「まあ、お前と違ってな(フッ)」

 ……末の妹はまるでメイドのような服を着せられ、一人台所に――

アリア(末娘)「あー、ヴィーパパ台所に入ってきちゃダメでしょー つまみ食いする気でしょ!」
ヴィー子「いや、一応手伝いもするぞ?」
アリア「ヴィーパパが手伝うと、お料理減っちゃうからだめー!」

 もとい、末の妹は自ら台所から姉二人を追い出して、一人で家事をしていました。


 そんなある日、三姉妹にお城から舞踏会の招待状が届きました。

ジャウマ(父)「お前たちに招待状だそうだ」
ヴィー子「待てよ、ジャウ」
ジャウマ「なんだ?」
ヴィー子「こういう時は、お前が継母役じゃねえのかよ!?」
ジャウマ「俺は女装はしない(きっぱり)」
セリ美「てめー、ズルいぞ!」

 えっと、話を進めてくださいー

アリア「私も舞踏会いきたーい!」
ヴィー子「よっしゃ! 俺がアリアに似合うドレスを選んでやる!!」
アリア「わーーいい!!」

セリ美「……ところでシンデレラってこんな話でしたっけ?」
ジャウマ「まあ、アリアが嬉しそうだからいいんじゃないかな」


 そして場面は変わって、お城の舞踏会。
 ドレスで目一杯着飾った女性の間で、ひときわ輝くセリ美の姿が。
 会場の男性陣の目はセリ美の姿に釘付けです。

アリア「ふわー、セリパパ似合うねぇ」
ヴィー子「アリアの方がずーっと可愛いぞ! ほら、ケーキでも食べようか」
アリア「わーい!」

 セリ美に群がる男性陣を遠目で眺めながらケーキを頬張る二人に、舞踏会の主催者でもあるこの国の王子が声を掛けました。

ラウル(王子)「おお、可愛…… いや、美しい姫よ。貴女の名前を教えてください」
アリア「アリアだよっ(にこっ)」
ヴィー子「アリア、こんな奴に愛想振りまかないでいいんだ」
ラウル「えっと、兎のお耳が可愛いね」
アリア「うふふー でしょー」

クー(ペット)「クゥ!」
アリア「わんちゃん!! 撫でていーい?」
ラウル「えっ?! あ、ああ、もちろん!」
クー「クゥ!(さぁ、撫でろ!)」
アリア「わーい! もふもふー」

ヴィー子「お前、ペットでつってアリアを懐柔するつもりだな?!」
ラウル「へっ?! かいじゅ……?? というか、元々この舞踏会は僕のお相手探しが目的でして……」
ヴィー子「なんだと! 俺は聞いてないぞ!」

 なんと、招待状すらまともに読んでいなかったヴィー子は、自業自得なのに怒りだしてしまいます。

ヴィー子「アリアに変な虫がついたらいけない! さっさと帰るぞ!」
アリア「えー?? ま、待ってよぉー」

 ヴィー子はアリアの手をとって、さっさと屋敷に帰ってしまいました。

 舞踏会の会場に残されたのは、アリアの使っていたハンカチ。そして、男性陣に囲まれたセリ美。

セリ美「は?! 私を置いて先に帰っただと??(怒)」

 怒りながら会場を後にしたセリ美が、家でヴィー子とどのようなバトルを繰り広げたかを知るのは家族のみ。

* * *

 翌日、アリアたちの住む家を訪れた者が居ました。

ラウル「こんにちは。アリアちゃん」
アリア「あー! ラウル王子さまっ」
ヴィー子「てめぇ! なんでアリアの名前を知っている? そして、なんでこの家がわかった!」

ラウル「えー? 彼女の名前なら、昨晩あなたが連呼していましたよ? あと、忘れ物のハンカチの匂いを辿ってこちらに」
クー「クゥ!」

ヴィー子「アリアはまだ嫁にはやらねー! とっとと帰れ!」
 ヴィー子がラウルたちを追い出そうとすると、アリアが間に割って入りました。

アリア「ラウルおにいちゃんはやっと見つけた私の王子様なのよ! いじめちゃだめ!」

セリ美「アリアには勝てないな」
ヴィー子「くっ…… ア、アリアがそう言うのなら……」
ジャウマ「ラウルくん、アリアを頼んだぞ」

 役を忘れて、ラウルの方をポンポンと叩くジャウマの顔を、おねだりするようにアリアが見上げます。

アリア「んー、でもアリア、パパたちとも一緒に居たいの。だめかなぁ?」

 それを聞いたヴィー子の表情が、ぱあっと明るくなりました。

ヴィー子「それなら、ラウルが俺たちの家族になればいい! 決まりだな!」
アリア「わーい!! ここで一緒に暮らそうねー!」
クー「クゥ!」
ラウル「えっ……? 僕は一応この国の王子なんだけど……?」
ヴィー子「こまけーことを気にするなよ!(背中バンバン)」


 最初から最後まで、可哀そうな娘さんは居なかった物語でした。

 めでたし、めでたし?


セリ美「……ところで、私の元に大量の見合い写真が届いてるんだが?(怒)」

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こちらは一応、サポーター様向け閑話ですが、あまりにもお遊びで内容の無い閑話なので無料公開にしております(笑)
サポーター様向けだけど、非限定閑話、みたいな?

こういうお遊び物は書きやすいですねっ(笑)


本編はこちらです♪


「招かれざる獣たち~彼らとの出会いが少年の運命を変える。獣耳の少女と護り手たちの物語~」

https://kakuyomu.jp/works/16817330649091868589

殺された家族の敵を討つ為に、ラウル少年が雇った凄腕冒険者たちの正体は、人ならざる獣の力を持つ者たちだった。

彼らと旅をすることになったラウル。
彼らの正体は?そして、彼らの目的はいったい?

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