• 二次創作
  • 異世界ファンタジー

待ち人 : 便りあり。早く来る

今日もひがな一日、ワールドオブタンクスというゲームをしながら、まんじりともせず送付した履歴書の返信を待っていると、友達からLINEで連絡があった。
女の子からの便りでないのが悔やまれるけれど、僕は友情には篤い人間でありたいと常々思っている。
一にも二にもOKの返事を出して、どんなお話をするのと尋ねたら、なんでもちょっと僕に、進路相談にのって欲しいというのだ。

ふうん?
無職の僕に進路相談ね。
3月22日現在、未だに採用面接にさえ進めていない僕にね。
ふうん……。

そりゃあね、僕は口だけは達者ですよ。
テレビのコメンテーターみたいに、無責任なアドバイスさせたら天下一品ですよ。
中東情勢や安保法案、果ては人類史からアダルトビデオの女優評まで、語らせたら皆僕の見識の深さに唸り声をあげちゃいますよ。

でも就職関連はちょっと、苦手かなって思うんですよね。
ガチのニートっすからね。
本物ですからね。
働いた記憶より辞めた記憶のほうがしっかりしてますからね。
ネトゲ一杯やってますからね。
未だにお父さんからお小遣い貰ってますからね。
たまには上手いものでも食えって、ちょっと多めに渡される五千円札が心にキますからね。

そんな僕が進路相談になんて乗れるわけがない。
友達にもそう言ったのだけれど、是非にと懇願されてしまった。
友達が何を望んでいるのかは判らないけれど、ここまで頼まれたら嫌とは言えない。
全力を尽くすまで!

僕はきっと、誰かの心のスキマなんて埋められない。
でも――。
職歴の空白の埋め方なら知っている!
そういうことだよね神様! 僕だって生きていて良いんだ!
誰かの力になれるんだ!

お父さんからお小遣い貰って、行ってきます!

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