まずはじめに、2024年1月1日に発生した能登半島地震で被災された皆さまに心よりお見舞いを申し上げますとともに、命を落とされた方々の御冥福をお祈りし、謹んで哀悼の意を表します。
拙作「アストロQ」の第81話で、地震に関する記述が出て参ります。
これはこの度の災害に着想を得たものではなく、何年も以前に本作を構想した当初から考えていたプロットです。執筆に時間がかかり、81話でようやくこのシーンに達したその日、能登半島を中心とした災害が現実に起こってしまいました。
このタイミングで81話を公開して良いものか、正直悩みました。寒さ厳しい中、被災された方々の不安はいかばかりか、想像を越えるものがあります。創作物とはいえ、明日登呂の街に地震を起こすことが、果たして題材として適切なのだろうかという思いが、頭をよぎりました。
小説では、81話以降も地震の状況描写が続きます。それはやがて、支援や協力の輪の拡がりへとつながり、希望をもたらすものとなっていきます。また、情報技術を使って被害の状況をあきらかにしていく、近未来のコミュニケーションの姿も描いていく予定です。
そんな能天気な作品ですが、被災された地域の少しでも早い復旧と、負傷者・行方不明者の救助への願いを込めて、公開することと致しました。
異論もあることと思います。ただ、やはりこのエピソードなくして、本作を完結に向かわせることはできません。どうぞ、皆さまのご理解を賜りましたら有り難く存じます。