これはもう完治で良いのでは!? と思うくらい元気になりました。
それはそれでいいことなのですが、体調を崩してから、創作意欲が激減してしまっています。
今までは……急き立てられるような焦燥感というか、『もっと筆力を上げたい』『向上したい』という内面からの爆発的なエネルギーを糧にして色々なジャンルの話を書いていました。
たくさんたくさん書いて、練習しなければ!
少しでも多く手を動かして、人の何倍もやらなければ!
私は劣っている、足りないものが多い、這い上がらなくては!
と思っていました。
私は芸術方面のことを何もやってきませんでした。
本や絵本は大好きでした。
歳を重ねてからもずっと読み専をしていました。
色んなシリーズの本を買って並べて楽しんでいました。
それは自分が楽しむためだけであって……その文章や物語の構成、感動した内容を自分に取り入れたりということはやってこなかったのです。
結果、私に文才や表現力は付きませんでした。
幼い頃から芸術方面に秀でたことは一個もなくて没個性でした。
下手っぴという味のある個性すらなく、お手本通りに作り上げることはできました。
いつも、何かの再現や模倣はうまくいきました。
言われたことをやればいい勉強は、得意でしたし簡単でした。
反面、空想や想像を形にすることは苦手で、評価は低かったです。
自分でも「なんてつまらない内容だろう」「最低限の評価を得るためだけにそれっぽく適当に作ったなこれ」と思うようなものしか作れなかったので、それは当然のことではありますが。
『自由に作っていいよ』と言われたものに関する出来が悪いので、『自分には何かを表現することなど出来ない』とすら思っていました。
だから、私の創作活動は、ゼロからではなく、大きなマイナスからのスタートでした。
『自由に何かを創る』ということが苦手な人間が、究極の自由さである創作分野に手を出そうとしているのです。
自分でも向いていないと理解はしていて、それでもやりたい、やってみたいと思ったがゆえの行動でした。
カクヨム様に登録してから……何もできないところから、ちょっとずつ物語を書くコツのようなものを掴んでいく、確実に初期より向上していると感じる瞬間は楽しかったです。
しかし、体調を崩して以来創作の元だったその焦燥感、モチベーションの核たるものが感じられなくなってしまい……。
あれ? どんなふうに物語を書いていたんだっけ?
どうして物語を書きたいと思っていたんだっけ?
という感じで……私にとっての根本的な部分を見失ってしまいました。
私は勢い任せで執筆を始めたのですが、その『勢い』が、体調不良をきっかけに失われてしまったのです。
元々三日坊主になるかもしれないと思って始めたことですから……それにしては長く続いた方ではあるのかもしれません。
何にせよ、本腰を入れられない状態で無理に何かを書くのも違うな……と思ったので、モチベーションが湧くまで執筆をストップしております。
モチベーションの低下は、想像力、妄想力にも影響を及ぼしており、こんな話を書きたいなあという思考もあまりできなくなっています。これがスランプというやつなのかもしれません。
ふと思い出したのですが……幼い頃、小説家へのあこがれを抱いた時、身近にも小説を書いている子がいました。その子の作品は、構成力や文章力共に明らかに優れていて、一つ一つの言葉が輝きを放っていました。
私はあの瞬間、私には才能がないんだとわかってしまいました。
何の才能がないかといえば……楽しんで物語を書く才能。
私は本が好きな『だけ』でした。
あこがれを持っている『だけ』でした。
あの子は今どうしているのだろうか。
今頃、どこかで賞を取っているのかもしれません。
少なくとも、あの子はきっと今でも筆を執っていると思います。
私とあの子の違いはなんだろう。
あの子は、きっと、物語を書くのを禁止されてもずっと書き続けるでしょう。そんな力を感じました。
私も今から、何かを掴むことができるだろうか。
劣等感からではなく、楽しみながら、話を書くことができるようになるだろうか。
私は、何のためにお話を書こうとしているのか、この機会にちゃんと向き合って考えます。答えが出るか出ないかはわかりませんが……。いずれにせよ、どこかにはたどり着くと思います。