今日公開した虚構エッセイ「【ナルディス(Nardis)】SFPエッセイ054」は、ご存知の方はわかるようにジャズピアニスト、ビル・エヴァンスの名曲をめぐる話です。
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https://kakuyomu.jp/works/1177354054892340431/episodes/1177354054893528987虚構エッセイなので、自由に思いつくまま書いているのだけれど、この曲がさまざまな年代に、どういうピアノトリオによって、どう演奏されてきたかたという、曲の変遷をめぐる情報はおおむね記録に基づいています。
従って「虚構」の部分は主に「語り手」の個人的な身の上話の部分に限られています。
というわけで、ここではビル・エヴァンスが何者か知らないし、「ナルディス」なんて聴いたこともないという人のために補足情報を載せたいと思います。実際に音楽を聴きながらだとますます楽しめるでしょうから。
1961年の演奏(スコット・ラファロ、ポール・モチアン)
https://www.youtube.com/watch?v=aCXHtn2bQ38これはアルバムを持っていました。なので曲は聴いたことがありました。でも曲名までは覚えていませんでした。
1966年の演奏(エディー・ゴメス、ポール・モチアン)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm62424601970年の演奏(エディー・ゴメス、マーティー・モレル)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6486485 1979年の演奏(マーク・ジョンソン、ジョー・ラバーバラ)
https://www.youtube.com/watch?v=YsDlwi9O6t4伝記的なエピソードはWikipediaのみを頼りに書いたので、その信頼性は「Wikipediaレベル」です。取り扱いにはご注意ください。
http://ow.ly/OaT9308oYn7実を言うと、お題をもらった時点では「ナルディスって何だ?」という状態でした。上にも書いた通り、1961年の演奏についてはそれが収録されているアルバム『エクスプロレイションズ』を持っていたし、曲も聴いたことがあったので、聴けば「ああ、あの曲」というくらいには知っていました。でも曲名は覚えていませんでした。
ましてやビル・エヴァンスの個人的なヒストリーに関する情報はゼロで、Wikipediaを読みながらその壮絶な晩年を知り、そこに至るまでの辛い別れの繰り返しを知り、それを読んだ上でいろいろな時期に演奏された「ナルディス」のバリレーションを聞き、個人史と照らし合わせるとそこから様々な感想が湧いてきて、そこから先は「虚構」の領域で料理しました。
初出はFacebookですが、そのコメント欄にビル・エヴァンスのファンだったという方から「何も知らない人が調べる行為だけでこういう文章が書けるんだ、というのはとても興味深いですね。」という感想をいただけて小さくガッツポーズを取ったことを思い出します。
ああ。こういう「どのようにして虚構エッセイを書くのか(書いたのか)」って話、まとめると面白いかしらん? 興味のある方はぜひ声をあげてください。「あの作品はどんな風に書いたの? あれは実体験なの?」といったご質問があればお答えしますので。