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お礼参りシリーズ レビュー編①

長編がひとくぎりつき、休むのもできつつあるので、合間を縫ってやっていこうと思ったやつです。

まずはいただいたコメントレビューへのお礼から!
連載中はさっぱり動けなかったものですから、お礼お伝えしたい方おおいです。
よって分割。わけて進めてまいりまーす。


■おひとり目

おなまえ:秋島歪理( https://kakuyomu.jp/users/firetheft
紹介作:『ころしてやりたい(副題:俺と自称メンヘラ女がゆるだら微イチャでくうねるあそぶ)』( https://kakuyomu.jp/works/16817330653908530825

メモ:
秋島先輩は変わったひとだ。
人柄も独特だけれど、さることながら作品の質も一風変わっている。
伊草個人は特に登場人物の造形が個性的だと思っていて、
多弁で悲喜劇的な状況によく放り込まれ、コミカルな哀愁を漂わせたりもするけれど根は実はハードボイルドである(と感じる)ような青年キャラや、
一筋縄ではいかないような、てごわさ……というかなんというか……を備えつつも、ときに屈託を抱えていたりもする女性キャラに、秋島先輩みを感じている。
ちなみに秋島先輩そのもののユニークさを味わったりうらやましく思いたい場合、エッセイを読むという選択肢もある。
個人的な「変わったひと」の定義は「その人にとってあまりにも当たり前であるようなことが周りからみるといちじるしく当たり前じゃないこと」なのだけれど、まさにそれに当てはまるようなところがあちらこちらに見つかるのです。

紹介作は、ホテルの一室にロングステイしているけれど付き合っているかというとそういうわけでもない……二人がトークを繰り広げる一話完結方式のお話。
室内での会話がほとんどを占める構成、これを書けない人は結構いるんじゃないか。伊草はたぶんムリだ。
アキシマテイストに気軽に入門しつつ、深いワンインチ距離まで潜ってもいける一本です。


■おふたり目

おなまえ:竹部月子( https://kakuyomu.jp/users/tukiko-t
紹介作:『金欠ローグと地下40階の迷宮』( https://kakuyomu.jp/works/16817330650082839688

メモ:
月子先輩もまた、秋島先輩とは違った意味で独特な方だ。
みずみずしさをともなう作風で、しかし親しみのわく登場人物たちによってお話をつむぐ。十代から大人まで幅広い層が楽しんでめくれるお話を書かれる。
ご本人も「このよさがこのお人柄から来るのは納得だ」と思うような明るく優しい方で、人望と実力から、カクヨム内で有志の方が開く個人賞の審査員を務めたりもされている。
……のだけれど、伊草個人が興味を持っているのは、お話を作られるその頭の中。
お話を書いていく時、ゲームのプレイ画面という形で細部を詰めていかれる、そういう過程を自然と踏まれるのだという(伊草の要約記憶のため、ちがっている可能性はアリ)。
そう思って読むと、お話の随所に光る作家性が、少しまとまりをもって見えてくるようにも感じる。
その奥に何かが見えるのか、そこへの注目はかえって捉えそこないを生むのか、いずれにせよもっと読み込めたらとだいぶ前から思っています。

紹介作はダンジョンアタックもの。
スキルの概念があり、復活の概念があり……と、ゲームライクなのだけれど、一筋縄ではいかない、それでいてややこしくなることを回避している設定のひねりと仕込みがある一作。
伊草はまだアタック中なので、近日の踏破を目標としています。


レビュー編、まずは以上おふたりからでした。
お二人がコメントレビューを寄せてくださったのは、短編・掌編集「余白」( https://kakuyomu.jp/works/16817330667019128468 )。
ありがとうございました!

2件のコメント

  • わーい、ご紹介ありがとうございます!
    明るく優しいですって、うぇっへっへ。嬉しいな。

    直近のエッセイ審査員は、人様の作品の良し悪しなぞ分かる気がしないと戦々恐々で挑みましたが、やっぱり「悪し」が分からず、どの作品も素晴らしくて幸せな読書時間でした。

    ゲームをツクるように小説を書くというのは、未だに変わらない部分です。
    最近は脳内でツクるゲーム(作品プロット?)自体を情報にアクセスしやすいように改良しながら作業できるようになってきたので、20人いる村人に全員話しかけないと先に進まないみたいな煩雑さは解消しつつあります。
    それでも選択肢ABCしか作ってないのに、Dルートが発生だ、ウヒョーみたいに翻弄されることも多々あるのです。
    これ、どうにかなりませんかね?(なりません)

    秋島様の「ころやり」は、「アンタ絶対私のこと好きだよね?」を「いや、絶対違うが」と真顔で返せる雰囲気の、あのふたりの絶妙な距離感が神ががっていると思います。
    あまあまとか、じれじれとか、カテゴライズしやすい男女の仲じゃないし、かといってリアルすぎもせず、嘘っぱちでもない。
    その空気感にポツンとインクを落としたような哲学がもう、たまらないです。
    最近のキャンプエッセイも、もうそれで一作にしてしまえばいいのにというくらい筆がノっているご様子で拝読していて大変楽しいです。

    新版ホロウライト、完結おめでとうございます。
    集中して読みに伺いたいと思って、楽しみにあたためております!
  • >月子先輩
    こちらこそ、その節は(に限らず)!
    実際のとこ、人徳というのはあると思うのだよなあ。
    審査員つとめられると知った時も「これは評もらう人嬉しかろうよ」と思いましたもん。
    コメントってやつの勘所は、一つには「前向きさ」……固く言いかえるなら生産性でもあるだろうか……にあると思うんですが、月子さんのは勇気や元気をもらえること間違いなしだろなって。
    細部までを読み取って味わって下さるセンスを前提にした上で、仰る通りで「良し」のとこに触れて下さる。そりゃ嬉しいよ。

    脳内で作るゲームの質が……上がってきている……!?
    いや、そりゃ書き続けられてますし、成長というのはあるもんだと思いますが、こうやって聞くとすごい興味そそられます!
    ルート生える話、随所で聞くんですが月子さんの経験値レベルまで来てても発生しますか!
    スキルツリーの取り方次第で早めの段階から制御できるようになってく……そういう余地はあるものなのか、気になるこの頃です。やばかったんです最近書き終えたホロの直しの時も~!!

    あの関係、確実に「not 嘘っぱち」……ありえる、んですよね。少なくともそれを感じさせる安定感がある。
    生々しさの調整も含め(あれは調整しているというより、好きなとこ撃ち抜いたら絶妙な塩梅だったということなんでしょうが)、ほんとに個性って感じです。だって掌編読んでも長編読んでも短編読んでも出てるんですもん。あとエッセイも。
    作っているとじょじょに手癖っていうやつが見えてくるもんだと思うんですが誰しも、秋島さんの手癖、やっぱあれなのだなとエッセイ読んでて思う具合です。キャンプ三人組の関係性と、それを作ったり維持したりできる距離感がうらやましすぎる。

    そして完結おめありがとうございます……!
    いつでもおまちしておりますので、よき時においでいただけたらもーうー幸甚です!!
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